るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

ヴァーチャル夏休み2019

「ヴァーチャル夏休み」に今年も参加します。去年参加したこちらの企画

100wishlist.com

twitter上でのソーシャルイベントで、

「この企画では、自分で自分に「夏休みの宿題(=目標)」を設定し、それを宣言。その進捗を報告しながら、参加者同士励まし合って勉強をします。」

 というものでした。

 

去年の私の課題は、こちら 

1)The Letters of J. R. R. Tolkien を期間中に一日一通~一ページ分くらいを読む。

2)一日一文でも英語日記を書く 

3)NHKのラジオ講座、「高校生からはじめる「現代英語」」を再開する。

 

でした。

参加してとてもよかったので今年も参加します

今年の課題は

 

1)The Letters of J. R. R. Tolkien を期間中に一週間に一通以上を読む。

2)一日一文でも英語日記を書く

3)Lotro :The Black Book of Mordor のストーリーを読む

 

です。

 

去年の夏休み後、続けていたものの、じわじわと間隔があき、ついにはストップしてしまった、英語日記をあらためて再開。トールキンの書簡集は、一通がかなり長くなってきたのと、内容が濃いので、正直1日一通ペースは、私の英語力では辛すぎるし、じっくり読みたいので、一週間に一通以上というしばりにしてみました。

しかしそれだけでは、読まない日がでてきそうなので、Lord of the Ring Online の The Black Book of Mordor のchapterを毎日読んでいこうかと考えました。

The Black Book of Mordor、つい読み飛ばしてしまったり、同地域クエストをやったり、ログインがあいてしまうちに忘れたり、そもそも、指輪棄却後のオリジナル要素の強い話のため、ストーリーの流れをなんとなくでは追いづらく、なんとか改善したいとおもっていたので、読みなおしです。

 

英語日記のほうは、@sunami66 の方でつぶやいていく予定です。

 

Letters of Tolkien No.93


Letters of J.R.R. Tolkien: A Selection

Letters of J.R.R. Tolkien: A Selection

 

 

93:1944/12/24 (FS70) クリストファー・トールキン宛て

 

おまえが(指輪の)つぎの三つの章を楽しんでくれたことを喜んでいる。私は

より多くのコメントを切望している。おまえの時間があるときに。

確かに、サムはもっとも綿密に書かれたキャラクターだ。最初の本のビルボの後継者で、本物のホビットだ。

フロドはそれほど興味深いものではない。なぜなら彼は高潔であらねばならないし、いわば、使命を持っているからだ。  

本はおそらくサムで終わるだろう。

フロドは、もちろん、あまりに高潔すぎるようになるだろうし、偉大なクエストを達成することにより隔絶されることになる.

そしてすべての偉大なるものたちと共に「西」へと立ち去るだろう。

しかしサムは、シャイアに庭に、宿屋に腰を落ち着けるだろう。

 

ところで、おまえはHarebell(イトシャジン)とそれを訂正したHairbell(harebellの代替)と書いてきた。  

どこをおまえがおもしろがったかはわからないが、私はこの名前についてのすべての物事をかつて調べた。

名前の変遷とその想像で作られた代替のhairbellは、(語源学の)無知によるものと我々を誤らせる、おせっかいな、そしてfolk'sglove(妖精の手袋)から foxglove(狐の手袋)に試したたぐいの、昨今の本の植物学者のせいであるように思われる。

 

これらの動物との古来の関係はほとんど知られていないか理解されていない。おそらく、それらは、幾分は失われた獣の寓話に拠っている。名前に似合ったいくつかの寓話を作ったり試したりしたくなるだろう。

 

おまえはまだお前が出会った名前のない花々に、名前を作り出してつけているだろうか?

もしそうなら、心にとどめておきなさい、古き名前は常に説明的なわけでなく、しばしば謎めいたものなのだ。

私の一番の発明はエラノールとニフレディルだ。私は、ローハンの塚山に見いだされる、シンビルミネ、もしくは忘れじ草が好きだけれども。

 

私は最後にサムの庭のためにもう少しいくつかのものを発明すべきだったと考えている。

 

 

手紙の前半は指輪物語の草稿について。大筋はもう決まっていて、このあらすじの雰囲気からすると、もう、決定稿とあまり変わらない感じがします。

後半は植物の名前とその語源について。「Bluebellがカンパニュラに分類されてきたけど、スコットランドBluebellはもちろんヒヤシンスでなくカンパニュラ」云々というくだりがあったのですが、

English bluebellというのがあってこちらはヒヤシンス科なんですね。教授にとってはEnglish bluebellbluebellなのでしょう。ごぼうの話とか、「clofaはおそらく、glofaからの写本の間違いで名前の混同」など語源の話もあっておもしろい。

そしてミドルアースの花々の名前への言及。やはりエラノールはごひいきなのですね。

 

 

Letters of Tolkien No.92


Letters of J.R.R. Tolkien: A Selection

Letters of J.R.R. Tolkien: A Selection

 

 

92:1944/12/18 (FS68) クリストファー・トールキン宛て


お前自身のニュースはある点においては、私の運命に対するあきらめをつけ加えない。

しかし、おまえが今までの何よりもそれの一部を楽しんでいるように思われるにつれ、私はそれになぐさめを見出す。

私は真に願えたらよかったのだが、お前がそんなんにもぞっとするような何かを何もしないで済んでいたら、と。

 実際、私にとってはつらい試練だー私の息子がこの現代のモレクセム族の神 恐ろしい犠牲を要求するもの)に仕えてしかるべきであることは。

 

今朝は 少しの間私はルイスと会った。彼の4作目(5作目?)の小説ができかけていて、私のものと衝突しそうだった(私のぼんやりとした三つ目の企画)。

 

脚注:1945年に出版されたルイスの「The Hideous Strength(サルカンドラ いまわしき砦の戦い )]と「The Great Divorce(天国と地獄の離婚 )]の次に出版された小説は1950年の「ライオンと魔女」だった。

トールキンはしかしながら、ほとんど、あきらかに、完成しなかったルイスのほかの本について言及している。

トールキンの3つめの曖昧な企画、というのは[ the nortion club papers]だろう 。この本は、「ある伝記」によれば、インクリングスそのものを設定としていて、タイトルにある、気の置けない文芸的なクラブのメンバーのオックスフォードの二人の教師が時間旅行に出発する話だそう

 

  私はこの頃、先史についての新しいアイデアをたくさん得つつある。そしてそれらを長く棚上げしていた、私が書き始めたタイムトラベルの物語に組み入れたいと思っている。

ルイスはセトとカインの子孫についての物語を計画しはじめている。

我々はまた、「言語」(性質、語源、働き)についての共同での本を書く事を考え始めている

 

脚注:ルイスは1948年の夏に彼を訪ねたチャド・ウォルシュに言っている。「この本は「Language and Hnman nature」と呼ばれるはずだった。そしてthe Student Christian Movement Pressから翌年出版されるはずだった。しかしなされなかった。」

1950年にルイスは友人に手紙を書いている トールキンとの私の本はーあの偉大な、しかしずるずる引き延ばす非組織的な男とのどんな共著本もー、日付を入れられるが、私はそれがthe Greek Calends(存在しない日付)であることを恐れている。

 

これらすべてのプロジェクトに(十分な)時間があればいいのに!

 

前半部分はおそらく、クリストファーさんからの空軍で訓練などを含めたあれこれに対する感想と意見なのだろうと思います。

そして後半はルイス氏とのあれこれ。結局共著は出なかったわけですが・・・

the nortion club papers」は気になります。原稿として少しは残っているようですが、まったく完成しなかった模様です。ある伝記によれば、「導入部が終わって実際の時間旅行の上っ面が書かれたところで突然終わる」だそうです。ただ、このお話の中に入っていた詩は「イムラヴ」として活字化されています。

2002年のユリイカの指輪特集号に辺見葉子さんの訳で「イムラヴ 航海譚」が載っており、この詩についての辺見さんの解説がのっていて、ノーションクラブペーパーズへの言及もありました。読んでいたはずなのにすっかり忘れていたという・・・


 


 

 

 

 

Letters of Tolkien No.91


Letters of J.R.R. Tolkien: A Selection

Letters of J.R.R. Tolkien: A Selection

 

 

 

91:1944/11/29 クリストファー・トールキン宛て

 

 これが、少しばかりの「指輪」の委託だ。これまで書いてきた最後の2つの章、第4巻の最後、大いなる物語ーその中で私は、作者さえも、労力や困難なしに救い出すことができないような窮地に、主人公を陥らせた。

ルイスは最後の章でほとんど泣き出さんばかりに感銘をうけてくれた。

それでも私は、主に、お前が考えたことを知りたい。なぜなら、長い間、私はお前のことを念頭においてほとんどを書いてきたのだから。

 

私は10/14に3つの章を、別の2つの章を 10/25 に送っている。
「香り草と兎肉入りシチュー」、「ファラミア」、「禁断の池」、そして「十字路まで」と「キリス・ウンゴルの階段」だ。最初に送った分は今はもうおまえのもとについているだろう。二番目のものは、おまえの誕生日(11/21)ごろに届くことを期待している。そして今回の分が、新年の早い時期につくとだろうと期待している。
私は、お前の評価を心待ちにしている

 

第5巻と、最後の巻は、ガンダルフがミナス・ティリスに乗り付けるところから始まるーパランティアを携えてー3巻の最後の章がこれで閉じる。

 

以後、その後のあらすじ、場面についてこまごまと書かれています。そのほとんどは実際に出版されたものと相違ありませんが、 

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