るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

SeaChange 1:Something Rich and Strange

DWの出世作、豪ABC-TV(日本のNHKみたいなところ)ドラマ、Seachangeですが、実は買ってちょっと見て安心してしまってそのまんまんというファンの風上にもおけません。(しかし私にとって、字幕無しの豪州ドラマを15時間分見るのにはちょっと気合いが必要です。)さすがにこれでは・・・と思い、見ていくことにしました。その第一回目。相変わらずセリフは聞き取れませんが、かろうじて聞こえてきたものと、脳内補完で(なので間違っている可能性が非常に高い)捕らえたSeachage像を語って見ます。

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「そういう時ってあるんだよ! ローラ」

SeaChange第1話を見直しました。ドラマの展開としてはとてもベタで(^^)、都会でバリバリと仕事をこなす、主人公ローラが、一転して、夫の裏切りが発覚、仕事での昇進がなし、息子は学校から放校と踏んだり蹴ったりの状況に陥ります。彼女は人生の建て直しのために、かつて家族で素晴らしい休暇を過ごしたパール・ベイに移り住む事を決めます。そこでの新たなる出会い ― 悪徳不動産屋(いかにも! な)や、ダイバー・ダン(運命の相手?(笑)) ― と、トラブルがないわけではないけれど、パール・ベイでの生活が”良いもの”になることを予感させて終わり、というドラマの1話目としては魅力的かつ手堅く作られているなあという印象です。

前に一度ざらっと流して見た時はあまり感じなかったのですが、今回マジメに(^^;)見てみたら、考えていたよりずっとローラに感情移入して見ている事に気が付きました。そこで上に書いた「そういう時ってあるんだよ! ローラ」というコメントになるわけです。ローラの身の上に起こった事は、誰かが死んだり、重病にかかったり、破産したり、とかそういう極端にドラマチックな事ではないけれども、彼女の性別と世代に見合った煩いゴト(仕事上の不調とか、パートナーとの不和とか、子供に関する悩みとか、)は当人にとっては十分にしんどいできごとで、しかもそういう煩いゴトが同時期に重なってやってくると、これはもうメゲてしまう訳で。ローラは生真面目でエネルギッシュで、多分、今まで自分の思うようにやってきた人なんじゃないかと思います。つまり「努力すれば夢がかなう」的な部分でこれまで成功してきたというか。忙しくて、他人からは余裕がないように見えていたとしても、本人としてはおそらく、「今の生活に不満がない、ってことはないけど、そこそこ充実してるかしらね」という感じだったのではないかと。彼女がへこんだ、一番の理由は表面的な夫の裏切りや、昇進できないことではなくて、その根っこにあるもの ― これまでの自分の生き方や、がんばりを否定されている ― 事なんじゃないかと思うのです。つまり、「自分のがんばりがただ空回りしていた」とか、「自分の努力だけではどうにもならないことがある」という事を分からされてしまった、という事がローラには一番の衝撃で、ローラをして「私(たち)変わらなきゃ!」と叫ばせ、メルボルン(多分)からパール・ベイへと方向転換する大きな要因になったのではないかと思います。

まあ人間そうそう、性格なんて変わりませんから、パール・ベイで彼女のその奮闘ぶりがどう作用するのかまた彼女と関わる事でパール・ベイの住人たちがどう変わるのかとかSeaChangeというドラマの進行自体が楽しめそうだなあ、と思いました。

しかし、After the Deluge やBabiesを見た時も思ったのですが、この制作陣は30~40代をメインにしたドラマ作りがなんというか見せてくれますね。日本人である私ですらそう感じるのですから、豪のこの世代の方たちには本当にウケるような気がしました。

さて、このドラマのタイトル[SeaChange]ですが、目覚ましい(急激な)変化,変貌(へんぼう)という意味。とにかく「明確な大転換」という意味合いで良く使われる単語だそう。これはシェークスピアの「テンペスト」で初めて使われたということです。ローラにとってのまさしく「大転換」そして、それが海辺の街、パール・ベイで起こるという意味合いを含めてのタイトルなんでしょう。そして、この第1話のタイトルが「Something Rich and Strange 」なんですが、これがまさにTempestの中でsea-changeに続けて使われている言葉なんですね。ああっ もうっ! 向こうのエンターティメントに「聖書」と「シェークスピア」と「マザー・グース」は必須、とは聞いてましたけど、こんな所まで~(涙)

日本だったら、「奥の細道」と言えば「夏草や兵(つわもの)どもが夢の跡」とかが出てくる感じで、向こうの方達は「Tempest」と言えば「 But doth suffer a sea-change/ Into something rich and strange.」という風に出てくるんでしょうか。うーん、厳しいっ(^^;)

ということで

Something Rich and Strange: A Treasury of Shakespeare's Verse
William Shakespeare Gina Pollinger Emma Chichester Clark Emma Chichester Clark

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[t]:Something Rich and Strange: A Treasury of Shakespeare's Verse[an]:William[as]:Shakespeare

これをAmazon.comマーケットプレイスでぽちっとな。いやだって日本のマーケットプレイス高いんですもの・・アマゾン米で、送料込みで20ドル程、まあこのくらいならいいかなと買ってみることにしました。一応9才~12才向けというのを信じて(笑)なんとかなるかな~なんて。甘いかしら。

本当は続けて聞き取り・理解の限界に挑戦!SeaChange実況第1話編をやろうかと思ったのですが、異様に長くなりそうなのでやめます。これは今度別枠でチャレンジ・・というか無謀というか分かっていないのをただ晒すだけというか(^^;)・・・