るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

身の丈高きフーリン、鍵鑰主管長(warden of keys )に関する覚え書きと妄想



ミドル・アースにおいてフーリンという名前のヒトはたくさん出てきますが、今回書き出してみたのは、指輪物語の中に出てくるゴンドールの国人、身の丈高きフーリン、です。鍵鑰主管長(warden of keys )という役職つきのヒトで、戴冠式の時にミナス・ティリスの門前でファラミアと一緒にアラゴルンを迎えます。
このフーリンってどういう立場のヒトなんだろう、鍵鑰主管長(warden of keys )っていったいどういう役職なんだろう、鍵鑰主管長(warden of keys )というんだから役の中でも上の方だろうなあ、といかにも漠然としたイメージしか持ってなかったんですが、じゃあいったいどんななんだろう、と、そこここを読みにいってみました。



最初の登場はペレンノール野の合戦の時で、都の城壁下で闘っていたところから、エオメルを援護するために東へ向かった騎兵たちの一団の中に名前があがっています。
しかし騎兵たちはエオメルを援護すべく東へ進んで行きました。鍵鑰主管長の身の丈高きフーリン、ロスサールナッハの領主、緑丘陵のヒアルイン、それに金髪白 のイムラヒル大公とかれをとりまく騎士たちでした」(王の帰還上 251頁 文庫本)


ということは武人ですね、「身の丈高き」なんて形容からするとドゥネダインっぽいです。


ペレンノール野の合戦後に諸侯会議を開いて今後どうするかを決めますが、本稿では、イムラヒル公とエオメルとガンダルフアラゴルンとエルラダンとエルロヒアとで決定していますが、
草稿集であるHoMEではフーリンも諸侯会議に出席して発言している様子です。
えるさんが、こちらでご紹介くださっていますが、
HoME8 3-XII:The Last Debate (4)http://blog.goo.ne.jp/periannath/e/69a07f57dc47f952273637ab380cdd71


結構いろいろ言ってますね。この雰囲気からすると諸侯たちと同レベル扱いでしょうか? でもどこそこの領地というような話は出てこないですし、
この諸侯会議、領主たちと軍の大将たちで構成されているという事なので、ゴンドール軍の大将側の人間かな、という印象。領主側の代表がイムラヒル公だと思うので。


ところで、療病院の病院長は「Warden of House of healing」 ボロミアは白の塔の長官「The High Warden of the White Tower」ゴンドールでは、というかミナスティリスでは、エライ人には「warden」という役職を付けるのかしらん。
王様のいないゴンドールにおいてトップは文句なくSteward、執政でしょう。それでは次ぎは? となると難しいところですが、ファラミアがボロミアの事を「The High Warden of the White Tower;Our Captain-General」と言っているので、少なくとも軍のトップはこの役職なんでしょう。High WardenっていったらただのWardenより偉そうです。


フーリンは、アラゴルンたちがモランノンに進軍するときにミナス・ティリスの留守居役になっています。
療病院で院長がエオウィンに
フーリン候がゴンドール国民の指揮をとっておられるそうです。しかし本来ならファラミア卿が都の執政でいらっしゃいます」(王の帰還下 157頁 文庫本)と言っていますし、ファラミアも「それにわたしはまだ都の大権を引き継いでもおりません」(王の帰還下 160頁 文庫本)と語っていますからね_(これに関しては、「もう全快した彼は自分の権限と執政職をひきついでいたからです」(王の帰還下 169頁 文庫本)と、ありますので、ファラミアが回復するまでの一時的なものであったようですが)


となるとフーリンは王様のいないゴンドールのNo.3なのかしら??


当時のゴンドールの政治体制がどんなだったかは良くわかりませんが、トップに執政がいて、議会(Council)が存在してその構成員が領主たちと軍の大将達という形。領主たちの中で一番発言力があったのは、領地が広く地力のありそうなドル・アムロス公でしょう。鍵鑰主管長(warden of keys )というのが結局どういう役職かはわからないのですが、Captain側のトップだったらおもしろいかなあ、とこれは妄想。以下妄想が続きますが、keysとはどこの鍵なのかという所も気になるところで、例えば武器庫や宝物庫。或いは王の館やその他もろもろの鍵なのかしらん?
勝手な妄想は続くよどこまでもですが、最初、この鍵鑰主管長が、執政の権限を押さえるために、会議が鍵(=財産)と権力を分けたのか? とかちょっと思ってみたのですが、パランティアの事とか考えるとあまりそういう気もしませんしどちらかというと、きっちり上下関係で、執政と鍵鑰主管長の関係はハウス・スチュワードとバトラーの関係のようだったりするのかなあ、などと思いました。


HoMEによれば最初、フーリンはWarden of the CityだったのをすぐにWarden of the keysに変更したとのことでWarden of the Cityだとミナス・ティリスという都そのものの長官って感じになりますが、それだと執政の権限と混乱しそうだからやめたのでしょうか?
もしWarden of the Cityのままだったら、執政とWarden of the Cityの関係は英国首相とロンドン市長の関係みたいになったのかしら?


すぐに変更されてしまったこのWarden of the Cityですが、アラゴルンたちを迎えるにあたりファラミアと一緒にいて、アラゴルンがミナス・ティリスに入るときに柵を押し戻して彼を迎え入れる役を行ったあたりにそこはかとなく残っているような気がいたします。


そうそう、HoME12巻271頁、エオメルに関しての草稿で、「婚姻相手は、ミナスティリスのフーリンの娘モルウェン」というコメントがありました。(本稿ではイムラヒルの娘ロシリエルに変更となっています)このことや、ペレンノール合戦後の諸侯会議での発言など、草稿段階であったフーリンのこういう設定や様子はキャラクターの造型としてイムラヒル公に吸収されたのかな? と思います。



結局そちらこちらから引っぱり出してきてみてもあまりはっきりした事がわからないフーリン候ですね。うーんまとまらないまま終わってしまいました(^^;)。