るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

フロッグとトード〜がま君とかえる君の春夏秋冬

見てきました。折悪しく、仙台公演は9月7日。台風直撃の日でした。この日は朝からの嵐。市内の小中学校が軒並み臨時休校になるような天候で、「・・・・・これはヘタしたら行けないかも」だったのですが、幸い、台風は午後3時過ぎには仙台上空を過ぎ、観劇に出かける頃には雨もやみ、吹き返しの風も弱まって、一安心、となりました。

で。



が〜ぁ〜まぁ〜ぁ〜くん



でしたよ。ってこれだけでは何の事かわかりませんね。せんに「フロッグとトード」が題名で、と話をしたときに、題名が「フロッグとトード」なら呼びかけは原作の邦訳の「がま君」と「かえる君」じゃなくて、歌にあわせて「フロッグ」と「トード」なんですかね、という話をしたのですが、原作邦訳の通り「がま君」と「かえる君」の呼びかけでした。
がま君は川平慈英さん、かえる君は石丸謙二郎さん。アンサンブルは、おかやまはじめさん、高谷あゆみさん、中山昇さん 宮菜穂子さん。



私が今までもっていた絵本からのイメージは、がま君はのっそりでへんくつ気味で臆病なはずかしがり。かえる君はおっとりしてて、親切なお人好し、というものでした。
今回の舞台での、川平さんのがま君はちゃきちゃきしてて、わがままでツンデレぎみなカワイイがま君。石丸さんのかえる君は老成していて、親切だけど、がま君の反応をおもしろがって見ているようなおちゃめさのあるかえる君、と私が今までもっていたイメージとは少し違っていましたが、この二人の演じるがま君とかえる君は絵本の通り、お互いがお互いになくてはならない、大事な友だちで、お互いがお互いを大事にしている関係なのが、しっかり伝わってくる、とても魅力的なコンビでした。
アンサンブルの4人も息がぴったりあって、場面に応じて役をどんどん替え、季節をひっぱって物語を進めていくところは素晴らしかったです。

秋に南に渡り、春に北へ戻ってくる渡り鳥が舞台をひきまわし、がま君とかえる君が冬眠からさめて春・夏・秋・冬と季節が過ぎて、一年ひとめぐり、という構成で、舞台が進んでいきます。
電力ホールという小さなホールだったので舞台と観客席がとても近くて、俳優さんたちの豊かな表情がたっぷり堪能できました。俳優さんたちが客席の反応を見てそれに返してくれる場面も多々あり、すっかりのめりこんで見てしまいました。
客席の半分ほどが子供でしたが、切り替わりの早い展開、親しみやすいキャラクター、わかりやすい言葉とキレイなメロディの歌、楽しい踊り、繰り返しながら進んでいく物語、にみんな引き込まれていた様子で、子供が飽きて騒いで、という場面はありませんでした。
がま君とかえる君はもちろんですが、手紙を運ぶかたつむりさんが子供達の人気モノ。手紙が来ないことを哀しむがま君にかえる君が手紙を書いて、かたつむりさんに配達を頼むのですが、何せかたつむり、配達まで時間のかかること。春にお願いした手紙が届くのが冬なんですが、季節が変わるごとにかたつむりさんの配達シーンが出てくるわけで、そこが子供達に大ウケ。
さてこのかたつむりさん東北訛りでした。記号としての東北訛りは、どんくささというかスマートじゃない事の象徴かと思うのですが、そのかたつむりさんが一生懸命配達をして、「殻を破って」で「オレもやったぞー!」という所がなかなかにカッコよかったです。
そうそう、おかやまさんの東北訛りが随分板についていると思ったら、それもその筈、宮城県出身なのでした。どうりで自然だった(^^;)

とても楽しい舞台でした。ああ、もう一回といわずまたもっと見たい!



そうそう、衣装はブロードウェー版(CDのブックレットに載っていたものから推察して)と雰囲気は似ていますが(着ぐるみではない衣装で、それらしい動物たちを表現)日本独自のもので、がま君はなんとボタンがいっぱい縫いつけられたジャケットを着ていました。私はこれはがま君とかえる君のお話の中の「なくしたボタン」に出てくるジャケットをイメージしたのかな? と思ったけれどひょっとしたらがまがえるのイボイボのイメージなのかも。
鳥さんのひらひら衣装も、カメさんの甲羅がリュックなのもねずみさんのワンピースも、鮎釣り師のようなとかげさんも、カウボーイスタイルのかたつむりさんもどれもステキ。
舞台は右手奥側に木と茂みがあって、そこにバンドの方4人がすっぽり入って演奏です。生バンドはいいですね。
舞台手前のライトがカエル型だったりと細かい所にも楽しい造型がたっぷりでした。