るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

WALKABOUT 美しき冒険旅行

WALKABOUT 美しき冒険旅行 プレミアム BOX  [DVD]

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拠ん所ない事情でアウトバックに放り出された都会育ちの姉弟。家に帰るためにさまよう二人は、Walkabout中のアボリジニの少年と出会う。3人の出会い、そして続けられる旅。旅の終わりに3人が迎える結末は、静かな湖面に投げ入れられた石つぶてのように見る人の心を揺らします。



ニコラス・ローグ監督。最近この映画の原作を読んだ(とはいってもオリジナルではなくて、英語学習者用に易しく書き改めてある版:

*WALKABOUT                         PGRN2 (Penguin Readers (Graded Readers))

*WALKABOUT PGRN2 (Penguin Readers (Graded Readers))

)のですが、Dさんに映画も是非とのコメントをいただき早速鑑賞いたしました。

アウトバックの荒々しくも美しい自然、アボリジニの少年の躍動感のあふれる姿、弟の無垢さ、姉の清艶な美しさが画面を圧し、散文的(映像に散文というのもおかしな形容ですが)に進むストーリーとあいまって独特の映像を作り出しています。特に映画の半ばで少女が泳ぐシーンの美しさは素晴らしいですね。


原作を先に読んだタイプの映画の感想の常ではあるのですが、映画は原作とは似て異なる物語になっていたと思いました。姉弟アウトバックに放り出される理由も違いますし、アボリジニの少年と少女の立ち位置も結構違う(と思う)。少年が迎える結末も最終的な部分は同じといえば同じなんですが、いたる道筋が全然違うかなーと。巨視的なところから言えば同じといえば同じなんでしょうけど、姉弟に出会ったことで少年がそういう結末を迎えた訳ですから。まあ私が読んでるのはかなり簡略化されて易しい言葉で言い換えられている版なので、そこまで言ってよいかどうかと思う部分もあるのですが、原作の方がより時代的なものを背負っている(原作発表1959年、映画は1971年)し、お互いがお互いに対して無知で無垢だなあと。


あと映画の方が良くわからないことがいくつかあって、最初と最後に出てくる「賭け」ってなんだろう?
とか、いろいろはさまってる映像の意味って? とか最後のあれは幻想なのか思い出なのか? みたいなのがぐるぐるしてしまいました。