行ってきました。
お目当てはもちろん、マスター・ツィメルマンのピアノコンチェルトです。
東京フィルハーモニー交響楽団との共演で、指揮は、チョン・ミョンフン。 プログラムは、ルトスワフスキのピアノ協奏曲 〜クリスチャン・ツィメルマンに捧ぐ、と、マーラーの交響曲第4番ト長調です。
東京オペラシティホールは、とても雰囲気の良いホールと伺っていましたが、本当に素敵なホールでした。
ビル内のホールですが、ロビーが広く開放感があり、落ち着いた中にも明るいイメージです。
ホールは、ピラミッド型の天井で、一階な長四角の平面、バルコニー席が2階、3階とありました。
・ルトスワフスキ
まったくの初聴。現代音楽だし難しそうだし、予習していった方がいいのかなー、と思いつつも、どうぜ一度や二度聞いていったからといってどうなるものでもあるまい、それならば、とそのまま迎えました。
今まで私の中にあった「ピアノコンチェルト」という概念が崩されました。
4楽章構成とのことですが、楽章の間をおかず一つながりとして演奏され、曲全体を通して、緊張感が続き、息を詰めたまま聞き入っているうちに終わっていました。
オーケストラとピアノが互いに絡み、紡ぎ出されていく旋律に、聞いているこちらの体力が根こそぎ奪われてしまうような、揺さぶられるような音楽でした。
そして鳴り止まぬ拍手に答えてまさかのアンコールが!
マスターの持つ、繊細さと剛胆さの妙が遺憾なく発揮された、とても美しい曲でした。
非常に押さえられた静かな静かな音が、うねる嵐のような大胆な旋律が、こちら側へ渡されて来ました。
背中が総毛立つような、感情を高揚させる音楽の力に、腰が抜けるかと思いましたよ。
ルトスワフスキですでにやられていますのに、アンコールでノックアウトをくらった気分で、幕間は本当にふらふらでした。
アンコールの曲名を会場内の係の方に伺ったのですが、
「ツィメルマンさんが曲名をおっしゃらなかったので、掲示できません」、とのことでした。
やはり演奏は一期一会ということなんでしょうかしら。
追記:某所で、アンコールはバツェヴィチのソナタ第2番の2楽章だとのコメントがありました。私2006年に聴いてる筈なのに・・・と、とりあたま。というか鳥耳か。
・マーラー
実はマーラーも初聴。というかこれまで近現代の音楽とはあまりご縁がなく来ていて(難しそうという固定観念もあり)初めてでしたというべきなのかしら?。
ふたを開けてみれば、マーラーの交響楽ってこんな風に可愛くて明るい曲もあるんだと意外でした。
もっと暗くて難しいかと思ってました。
今回は私にとって期せずしておよそ20世紀な夕べになりましたが、とても充実した素晴らしい時間を過ごすことができてシアワセでした。
実はコンサート前に上野でフェルメールを追いかけたりいろいろ何かを醸したりしていたのですが、そちらのほうはまたのちほど。
うーん我ながら濃い一日だったわ・・・