るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

ハイブリッド本屋さん

去年kindleを買ってから気になるようになってきた電子書籍がらみの記事ですが、「今年は電子ブックの年」というような記事も増えてきたし、リアルの本、リアルの書店は? という記事も増えてきたような気がします。

はてなのブックマークであがってきていた
「風が吹けば本屋が儲かる」http://d.hatena.ne.jp/suzuchu/さんのエントリー
「下っ端バイトの分際で、リアル書店の未来について考えてみた。」http://d.hatena.ne.jp/suzuchu/20100109/1263026840

を読んでつらつらと考えてみました。
紙の本がなくなることはないと思いますし、なくなって欲しくありませんが、おそらく電子出版される本の割合は今まで以上に増えてくると思います。そうなったときに、電子書籍をネット販売だけのものにしておいていいんでしょうか?
ダウンロード販売=ネット販売=アマゾン販売みたいな流れで、リアル書店さんは、リアルの本しか売れない、アマゾンと競争できない、というような話も中にありましたけれど、紙の本も電子書籍も読むようになって、そして本屋さんの雰囲気が好きな自分としてはリアル本屋さんでも電子ブックを扱ってくれればいいのにと思うようになりました。

ハイブリッド本屋さん

電子ブックの形式が共通形式で作られるようになって、どこの本屋さんからでもダウンロード販売してもらえるようになれば、いいなと。
電子出版がどういう形でなされているのか良くわかっていませんが、現時点では出版社から電子出版権みたいなものをアマゾン(やバーンズ&ノーブル)が買って自社で電子書籍化して販売、という形なのだろうと理解しています。

じゃあ例えば書店組合とか或いはいわゆる取り次ぎ店の立場みたいなところが出版社から電子出版権を買って電子書籍化してそれを一般書店が仕入れて販売、というようなルートは作れないものかな? と。

費用とかデバイスとかいろいろな問題がありすぎて現実的ではない、そんな夢みたいなこと、というのは承知の上ですけれど、本屋さんに入るとリアル書棚と仮想書棚があって、どちらからも本が買えるというのができたらいなーと。ただPCが一台ぽつんとあってそこを検索して買うのでは実店舗がある良さを全然生かせませんので、ここはぜひ本と本との出会いをプロデュースするためにも、例えば壁面一面の液晶仮想本棚みたいなのがあって、こんな風に(これはブクログの私の本棚ですが)

電子ブックの表紙がディスプレイされて、そこをタッチするなりなにかすると最初の一章分くらいが立ち読みできる、とかそんな風にしてもらえたらなあ、と。
気に入った本があればそこの本屋さんを通じてダウンロード購入する。あるいはあらかじめマイ本屋さんとかを登録しておいて、その本屋さんを通じてダウンロード購入という買い方ができてもおもしろいかもしれません。
その本屋さんで対面買いするなら現金買いもできますよ、とか。

アマゾンのキンドルを使っておおー と思ったのが、どのデバイス電子書籍を買っても自分の好きなデバイスに直接ダウンロードできるというところでした。PCを通じて電子書籍を購入しても直接携帯kindleにダウンロードしておける。あるいはiphoneにダウンロードできる。逆もまたしかり。後からラインをつなげてデータを移動しなきゃ、ということがない。逆にこういった買い方ができるならば、買う方としてはアマゾンを通して買おうが目の前の本屋さんを通して買おうが買い方に差はなくなるのではないだろうかと思う訳です。

別にアマゾンからだけ本を買いたい訳じゃありません。
「アマゾンなら在庫があって、3日で届くから」あるいは「街に出て本を買って5kgの荷物をしょって帰りたくないから」アマゾンで本を買う。あるいは「電子ブックの取り扱い数がものすごく多いからアマゾンから電子ブック」を買う。

近所の本屋さんで買えるなら、その本屋さんがおもしろい本を薦めてくれていたらそこを通じて買いたい、というのはあります。電子書籍なら、「店舗面積的に本をおけない」、とか「本の発行部数や輸送の関係で本が店に入ってこない」ということはないわけですしね。
もちろん自宅で、あるいは通勤途中でキンドルから1クリックでダウンロード購入、便利です。
でもキンドルやネットは、「これ」と決めた本を買うときは便利ですが、何かおもしろい本ないかな、と出会いを求めているときにはそれほど便利でもないんですよね。

今まで、電子書籍は本とはちょっと違うしと思っていたけれど、ちょっと違う本とだって出会えたらいいなーと。

この先リアル書店さんがいろいろ変わっても、「ウチは紙の本しかおかない! 手にとってページをくれないものを本とは呼ばない!」という本屋さんがあったり、「ウチは紙と電子書籍と半:半です」とか「ウチはスペースもないんで電子書籍オンリーで、そのかわり仮想書棚のメンテは細かくやってます」みたいな本屋さんがあったりとなりつつも、街から本屋さんが消えることがないことを願っています。