るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

クリスチャン・ツィメルマン ピアノリサイタル2010

マスターのコンサートに行って参りました in 盛岡。
今回のツアーは東北地区での演奏はこの盛岡だけ、ということで出かけて行きました。

プログラムはショパン生誕200年ということでオール・ショパンプログラム。曲目は以下の通り

ショパンノクターン第5番 嬰ヘ長調 Op.15-2
Chopin: Nocturne in F-sharp major, Op.15-2

ショパン:ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 Op.35 「葬送」 
Chopin: Piano Sonata No.2 in B-flat minor, Op.35

ショパンスケルツォ第2番 変ロ短調 Op.31
Chopin: Scherzo No.2 in B-flat minor, Op.31

<休憩>

ショパン:ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 Op.58 
Chopin: Piano Sonata No.3 in B minor, Op.58 

ショパン舟歌 嬰ヘ長調 Op.60
Chopin: Barcarolle in F-sharp major, Op.60

とてもボリュームのあるプログラムで、コンサート2個分を一晩で聴いたような感じでお腹いっぱいになりました。
ソナタ2番、3番、とりわけ2番の「葬送」は圧巻でした。美しい音楽、綺麗な音楽というの越えた凄み。総毛立つような演奏でした。うつろな、足をひきずるような行進として繰り返される葬送のテーマ、遠くで響く鐘のような音。そして打って変わっての人生を追想するような、夢のように甘く美しいテーマが繰り返されました。生者の世界がまだ死者を手放したがっていないような死者も生者の世界から離れ難いような、それでも死の世界への道筋は固まっていてその道を進む以外ないというようなまさに葬送行進のただ中の曲だと感じられました。



トータルイメージとしてノクターンが死の夜の夢、ソナタ2番が葬送、スケルツォが生者と死者の別れ(スケルツォのアグレッシブな感じというかフリーダムな勢いがなんかすごかったです。)
ソナタ3番が天国の門舟歌が彼岸という感じでした。


実は前半3曲を聴いただけでかなりいっぱいいっぱいで、もうこれでコンサート終わりでもいいんじゃ?(いえいえ良くありません)などと一瞬不埒な事を思ったのですが後半さらにどん、どんどん! と積み上げられてしまってコンサート終了時にはもう言葉になりませんでした。とにかく素晴らしい演奏でした。

マスターは、万雷の拍手の中、微笑みながら胸に手をあて、礼をして帰っていかれました。

本当にコンサートは素晴らしかったです。
まだの方は機会があればぜひに!