るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

ショパン国際コンクールピアノコンクール2010入賞者ガラ・コンサート 仙台公演

仙台公演聞いてきました。去年のショパンコンクールの入賞者五名によるガラ・コンサートです。オールショパンプログラム。2時から始まって休憩をはさみ5時20分ほどまでの長丁場、ショパン漬けなコンサートでした。
5人それぞれのショパンを一回のコンサートで聴くことができるぜいたくさを堪能して参りました。
あたりまえの事といえばあたりまえの事ですが、演奏者が変わって、同じピアノ(デュモン君だけは別ピアノでしたが)で5分前と違って引き出される音色、というのが味わい深く思えました。アンコールに選んだ曲も5人それぞれで、それぞれの持つ雰囲気や嗜好性が見えて来るようで聴いていておもしろかったです。

演奏曲は以下の通り

フランソワ・デュモン 
 即興曲第1番 変イ長調 作品29
  スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 作品39
 アンコール:ドビュッシー:月の光


インゴルフ・ヴンダー
  アンダンテスピアナートと華麗なる大ポロネーズ 変ホ長調 作品22
アンコール:ショパンマズルカ 作品24-2(君が代変奏付き)


ルーカス・ゲニューシャス
  ポロネーズ第5番 嬰へ短調 作品44
  12の練習曲 作品10  第2番 イ短調
  12の練習曲 作品25  第4番 イ短調
12の練習曲 作品25 第11番 イ短調(木枯らし)
アンコール:ショパン:ワルツ 作品34-3

          • (休憩)-------

ダニール・トリフォノフ
  ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11(エディション・コンポーザー・サントペテルブルグ)
アンコール:バッハ:無伴奏ヴァイオリン パルティータ3番 よりガヴォット 変ホ長調ラフマニノフ編曲)

          • (休憩)-------

ユリアンナ・アヴデーエワ
  ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11(ナショナル・エディション)
アンコール:ショパンマズルカ 作品67-4


それぞれ簡単な感想を。デュモン君は柔らかな音色で軽やかな小品を披露。アンコール曲はショパンではなくドビュッシーでしたが彼に似合った曲だと思いました。
ヴンダー君は水滴がほろほろと葉の上を転がり落ちていくようなクリアな音色で、華やかなポロネーズを披露。アンコールはマズルカでしたが、コーダに君が代の主題を入れて(という書き方で良いのかな???)弾いていました。日本向けサービスかな??
ゲニューシャス君は重厚なショパン。力強いポロネーズと、たたみかけるような勢いのある練習曲3曲を披露。アンコールのワルツは思いのほか可愛らしくて選曲のせいだったでしょうか。
トリフォノフ君はピアノ協奏曲第1番。パンフレットにはエディション・コンポーザー・サントペテルブルグ とあったのですが、そのせいかちょっと雰囲気が聞き慣れたいつもと違う感じがしました(良く考えたら私が聴いてるのはパデレフスキ版ばっかりかも)アンコールはラフマニノフ編曲のバッハ、無伴奏ヴァイオリン パルティータ3番 よりガヴォット。
アヴデーエワさんのピアノ協奏曲第一番はナショナル・エディション版。安定感のある音色が、オーケストラに親和して美しい響きを聴かせてくれました。アンコールはマズルカでした。


仙台公演が日本公演の初日のせいかみなさんちょっと全体に堅い、というか緊張していた印象。もうちょっと肩の力が抜けたら本領発揮かなー、ななどとちょっと思いましたが、この5人がこの先ピアニストとしてどう大きくなっていくのかが楽しみに思えるコンサートでした。

このガラ・コンサート、福岡、大阪、東京、名古屋、札幌で行われるのですが、演目が微妙に違うのですね。プログラム的には23日のオーチャードホールの演目がたいへん魅力的でしたが、行けなくて残念! (パンフレットによればピアノコンチェルトを別日に弾く他の二人のうち、ヴンダー君はパデレフスキ・エディション、ゲニューシャス君はナショナル・エディションを弾くとのことです。)
聞き比べられたらとても楽しそうですね。