るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

佐藤忠良展・高橋栄吉 小企画展



県美術館での佐藤忠良展見てきました。彫刻、デッサン、油彩、水彩、がたっぷりと展示されていて堪能してきました。
とにかくりんと立った彫刻群の素晴らしいこと! 全方位からみて美しいブロンズ像たちでした。ねじった背中、肩胛骨、丸みのある尻たぶ、腸骨稜からゆるやかにつながる腹部のふくらみ、うなじ、どこもかしこも美しい!
ブロンズの皮膚の下にブロンズの脂肪と筋肉と血管と内臓と骨がみっちりおさまってブロンズの身体になっているというようでした。

平日にでかけられたこともあって、前、横、後ろ、と好きな所からじっくり眺められたのも良かったです。

そして一階では、彫刻家「高橋栄吉」の小企画展が開かれていました。高橋栄吉氏は石巻出身の木彫家で、芸大で学んだ後、文展などに入選し、将来を嘱望されていた方でしたが、1941年に応召され、1942年に戦死しています。
作品はその多くを石巻文化センターが収蔵、公開してきたとのことですが、昨年の東日本大震災で、石巻文化センターが津波により被害を受け、彼の作品も海水につかるなどしたため修復がすすめられています。
現在施設再建まで、所蔵作品を県美術館が保管しながら紹介するとの事でした。

今回公開されているのは、2階にあって浸水を免れた、代表作の「潮音」を中心とした彫刻作品で、海に生きる男たちの力強い様子がうつされていて、これもまたすばらしかったです。

高橋栄吉氏についてはNHKで特集番組が組まれていて、そのアーカイブスの記事があったのでリンクしておきます。

視点・論点 「海の彫刻家 高橋英吉」