るるむく日記

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Letters of Tolkien No.91


Letters of J.R.R. Tolkien: A Selection

Letters of J.R.R. Tolkien: A Selection

 

 

 

91:1944/11/29 クリストファー・トールキン宛て

 

 これが、少しばかりの「指輪」の委託だ。これまで書いてきた最後の2つの章、第4巻の最後、大いなる物語ーその中で私は、作者さえも、労力や困難なしに救い出すことができないような窮地に、主人公を陥らせた。

ルイスは最後の章でほとんど泣き出さんばかりに感銘をうけてくれた。

それでも私は、主に、お前が考えたことを知りたい。なぜなら、長い間、私はお前のことを念頭においてほとんどを書いてきたのだから。

 

私は10/14に3つの章を、別の2つの章を 10/25 に送っている。
「香り草と兎肉入りシチュー」、「ファラミア」、「禁断の池」、そして「十字路まで」と「キリス・ウンゴルの階段」だ。最初に送った分は今はもうおまえのもとについているだろう。二番目のものは、おまえの誕生日(11/21)ごろに届くことを期待している。そして今回の分が、新年の早い時期につくとだろうと期待している。
私は、お前の評価を心待ちにしている

 

第5巻と、最後の巻は、ガンダルフがミナス・ティリスに乗り付けるところから始まるーパランティアを携えてー3巻の最後の章がこれで閉じる。

 

以後、その後のあらすじ、場面についてこまごまと書かれています。そのほとんどは実際に出版されたものと相違ありませんが、 

指輪の破壊は行われるが正確なやり方はさだかでない、とか、  ガンダルフの軍勢がモルドールに流れ込む、とか、フロドとサムは噴火している滅びの山の火のそばで最後のナズグルと戦う、とか草稿集にはこのあたりの原稿もあるのかな? とちょっと気になりました。そして伏線回収もちゃんと-「そしてそれからすべてのほつれた糸ーしだ家のビルのポニーにいたるまでーは始末される。」するとあってなんだかふふっとなりました。

 

そしてこれらは実際に書かれるときは異なったようになるだろうというコメントも。

 

「指輪」も最終局面に近づいてきている感じです。

しかし、教授、息子への手紙にナンバリングした上で、どの手紙に何の章を添付したかしっかり記録してたんですね。