るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

The Heroes

なんというか最近、発注はばらばらにしたオークションやらアマゾンやら何やらのブツが固まって届いて飽和状態。
なんでよりによってマレイの発売日直前に届くんだ〜!!!
とにかくマレイのDVDを堪能するために、がんばって読むべし! 見るべし!
どうせつながってるんだし。
本日ボックスセットの発送通知がきて、お尻に火がついた感じです(^^;)
と言うことでまず一つ。



The Heroes




B00005797YHeroes
P a u l R h y s , 㠀 ? J a s o n D o n o v a n

4 Front Video 1995-04-10
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1988年制作、1989年放映、の英豪のTV局で共同製作されたミニシリーズの一本で、DW出演ドラマと言うことで原作本読みをしたのとビデオを見たのでその感想を少し。多少ネタバレ気味の話になりますので、そのあたりお心に止めておいて以下をお読みください。



はじめまったく予備知識なしで探して入手したのですが、フィクションというよりはノンフィクションでした。そしていわゆる戦争ものです。


第二次世界大戦中、オーストラリアとイギリスの混成チームがある極秘の作戦を行ったのですが、それに関する話です。
Operation Jaywickと呼ばれるその作戦は、1943年の9月に行われ、当時日本が制海権を持っていた海域を隠密裏に航海して、シンガポールに行き、港を強襲するというものでした。この作戦は成功し、港では7隻の船を沈め、また作戦に関わったものたちも全員オーストラリアに帰ってくることができました。
しかし、そのおよそ一年後に敢行された Oepration Rimau(同じ様にシンガポールでの作戦)は失敗に終わりました。1988年のTVドラマのHeroesはこのOperation Jaywick(とOepration Rimau)について書かれた原作をドラマ化したもので(1992年にHeroes II: The Returnが作成されており、こちらが、Oepration Rimauのドラマ化のよう)DWが演じたHorrie Youngは、 Leading Telegraphist(これは海軍用語では何とあてはめるのかわかりませんが、主任通信士? 主任電信技手?)で、とにかく通信役です。


原作では、作戦の背景 ― 立案と実行にいたるまでの数々の困難と、作戦にかかわったメンバーの背景を折り込みつつ、作戦の実行と帰還を語っていて、日本軍の支配海域での隠密行動という事での緊張感その他は、結果が解っているにもかかわらずやはり緊張感としてあり、細かなエピソードが繋がって、手に汗握ぎる感じでした。日本軍相手の話なので、自分にとっては多少フクザツに思える部分もありましたが、それはそれで豪側から見た事柄として。(とはいっても隠密行動が成功した作戦なので、直接日本兵と闘うシーンはありません。)作戦に参加したメンバーの背景を思いながら見ると、またOepration Rimauまで含めた結果を思うとやるせない気持ちになります。


その上、近代史を学校その他でほとんどやってきていないツケがここにきて出ているというか、太平洋戦線の復習ということになって唸ることしばし。漠然と考えていた以上に、オーストラリアは、戦域に近かったんだという認識を今さらながら新たにしました。オーストラリアのシドニーと、ニュージーランドオークランド間の距離よりも、オーストラリアの北部都市ケアンズとパブア・ニューギニアラバウル間の距離の方が短い。というより、ニューギニアとオーストラリアは一番近い所は海峡一つしかへだたっていない訳ですが、そういう距離感を失念していたなあと。 
 

   
TVドラマは、原作のOperation Jaywicの部分を丁寧にドラマ化してあって、ほとんどのエピソードが入っていました。多少エピソードが前後したり、少しニュアンスが変わっていたところもありましたが、大筋に関しては原作の通りで助かりました。
また原作で今ひとつピンとこなかった船の構造や、爆弾の取り付け方などがそのままわかって納得、でした。

最初、若手の俳優さん中心に描かれるのかな? 原作とは違って、作戦に至る所は軽く流して、作戦そのものをメインにしてあるのかな、と思っていたのですが、話の流れはほぼ原作通りで、前半半分使って、作戦実行まで、後半が、オーストラリアを出航してシンガポールへ、というものでした。キャラクターも原作同様、襲撃船の実質上の船長であるCarse中尉、作戦の立案者でリーダーのLyon少佐、襲撃隊のリーダーのDavidson中尉に重点がおかれていた印象です。
原作を読んでいたときのほうがどきどき感はありましたが、話の流れと結末を知りながら見ているわけですからそのへんはしょうがないかもしれません。
役者さんたちは、みんな原作を読んだ時に感じたイメージにあってました。


原作の方は全員が帰還できたOperation Jaywicと、全員が帰還できなかったOepration Rimauの、2つのドラマから成り立っていて、その事がどちらにも微妙な陰翳を与えているような気がするので、ドラマの方も、両方見た方がよいのかな、とちらっと思いました。Oepration Rimauの方はより日本軍との関わりが深く、私は未見ですが、こちらの方は、「南十字星」という中村敦夫主演の日本側からみた映画もあるようです。



DWの出番は思ったよりありました。DWの役のYoung主任通信士は、襲撃船Kraitに乗り込むので、ドラマの真ん中あたりから最後まで出ます。台詞もちょこちょこあるし、アップも結構あって、もっと端役(失礼)かと思っていたのですが、クレジットされるだけの事はある、ちゃんとした役でした。
原作を読んだ時にこれを映像化してくれたら嬉しいな、と思っていたエピソード ― 出航前に電信が届いて、息子が生まれた事を知らされるシーンと、いざというとき船を爆破するための爆薬が通信設備のそばにおかれていてそれにどっきりみたいなシーン ― が両方とも入っていて、良かったです。

そして何より、Davidson中尉との台詞のやりとりが結構あった事が、私の中では一番のニヤニヤどころでした。Davidson中尉というのは、普段はチームリーダーのLyon少佐をサポートしているナンバー2で、カヌーでの襲撃において実務的な隊長役をするヒトなんですが、演じているのがJohn Bach氏。LotRで、マドリル役 ― イシリエンのレンジャー部隊にいた、ファラミアの副官で、最後にはオスギリアスで死んでしまった ― を演じた方です。当時はまさか12年後に隣りの国で、共演することになるだろうなんて思ってなかっただろうなあ、としみじみ。。



しかし、DWの初登場シーンが、ぴかぴかの水兵さんの格好で ― 白いセーラー服に水兵帽 ― あまりの爽やかさにちょっとくらくらしてしまいました。この時の画像って海外フォーラムさんのどこかで出てたかな? うーん。23才になったばっかりの、若い。カワイイ、デイヴィッド、でした。