るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

ワールドコン参加顛末記・その3

二日目


二日目は受付がいらないし、会場までの移動が昨日とは比べモノにならないほど短いので、のんびり。ゆっくり朝食をとって、荷物を送って、大会会場に向かいました。



10時〜 スター・ウォーズ30周年記念のクロニクル


”日本でのスター・ウォーズ関連書籍の9割以上を手がける”高貴準三さんがスター・ウォーズ映画と書籍出版に関するウラ話や今後の展望などをお話。
2008年にアニメ・クローン大戦が北米で放映開始予定、2009年目標に実写版TVドラマ・スターウォーズ制作プロジェクト進行中、というのを知らなくておおーとか思いました。
アニメクローン大戦は、既にカートゥーン・ネットワークで放映されいてるものがありますがあれよりもう少しキャラクター・デザインが良くて、全体に力の入った作品になるそう。スター・ウォーズ ドット コムで見てみると確かに、カートゥンネットワークでやった奴より見た目はイイカンジかも(^^;)http://www.starwars.com/video/view/000478.html
実写版の方は100本以上の大作シリーズになるらしく、時代はエピソード3−4の間らしい。撮影は主にオーストラリアで、とのことなのでまた見慣れたどこかの誰かさんたちが出たりしたら、とちょっぴり期待しております。
書籍の方は、ソニー・マガジンズから出ている一般向けのスピンオフの邦訳が今中断しているけれど、今秋以降再開の予定とのこと。オークラ出版から出ているジュブナイルのスピンオフの邦訳に関して、現在発行中のジェダイ・クエスト、ラスト・オブ・ジェダイの前日譚になるジェダイ・アプレンティスが邦訳されるかどうかはまだわからないとのこと。
エピソード3の撮影を見学したときの話など、いろいろ聞けて楽しかったです。
朝イチの企画なせいか、冷房ばりばり+人が少な目で部屋が寒かったのがちょっと辛かったです。


11時 サイン会: ロバート・シルヴァーバーグ


ロバート・シルヴァーバーグ


ですよ。サインもらっちゃいましたよ。なんだかもうねぇ、自分的には今大会一番のあんびりーばぶるなできごと。サイン会がある、というのをわかっていて、出かけましたけれど、

「ホンモノ?? 本人? ホントに? シルヴァーバーグがここにいるわけ?!」

とサイン会に並んでいる間中くらくらしておりましたよ。
サインはちょっと古い本になるけれど「夜の翼」に入れていただきました。

シアワセー

このサイン会の所でHさんと合流。Hさんもぎりぎりシルヴァーバーグのサインに間に合って、(というのも並んだ人数が多かったので、12時でちゃんと終われるよう、11時半のあたりで人数を切っていました。)良かったです。



12時〜 ディスクワールドことはじめ


ここでHさんは「SFとファンタジーに対するイギリスとケルトの影響」の企画の方へ。私もそちらの企画には興味があったのですが、身体は二分割できませんので、迷った結果ですが、こちらに。

内容はディスクワールドというファンタジー小説シリーズの魅力の紹介ということで、翻訳家の大森望さんが司会、ディスクワールドシリーズのファンでいらっしゃる石堂藍さんとおのうちみんさんがシリーズの解説と、ここが魅力的という所をお話になり、ディスクワールドのここがイイ! というのと、何故にして日本でプラチェットはウケないのか?! という事を熱く語っていただき楽しくききました。
ディスクワールドシリーズはイギリスの作家、テリー・プラチェットによるファンタジー小説のシリーズで、巨大な亀の上の4頭の象の上の円盤上の「世界」の上で起こるさまざまな物語群です。私はいつだったかこのシリーズがおもしろい、という話しをききおよび、何冊か読んだのですが、現時点で英国では38冊出版され、ベストセラーのこのシリーズ(ハリポタが抜くまでトップだったそう)、日本では受けが悪く、翻訳されたのは10冊ありますが、実売数が低かったらしく、そのうち5冊は既に絶版というなかなか寂しい状況です。味のある、シリーズでおもしろいんですけどもねぇ。自分で読むしかないのかなあ・・・つ、つらい。



13時〜 子ども向けのすぐれたSFに送られるゴールデン・ダック賞


金のアヒル賞は優れた児童向けのSF文学に送られる賞で、前年度に発表された作品が対象。「児童向け」ならなんとかなるかなー、などという甘い考えで行ってみました。
プレゼンテーターはヘレン・グバラさんとダグラス・ダルモンドさん(多分。名前はさらっと言われて聞き落としてしまいました)どちらも60代ぐらいかな? グバラさんは、ゆっくりはっきり話してくださり、加えて、「わからないところは遠慮なく止めて(話を)訊いてください、と言ってくださいました。こういうこと(非ネイティブor 理解するのに時間がかかる人へのプレゼンテーション)に慣れている印象。
ダルモンドさんの方は話がやや脱線しがち。「私はハインラインが好きでねぇ」と、語りはじめたりしました。微笑ましかったですけど(^^;)
ゴールデンダック賞について、今年の受賞者発表、現在の子ども向けSFを取り巻く状況など伺いました。
子ども向けのSF、といって、なかなか「サイエンス・フィクション」は少なく、(90パーセントがファンタジーだ、なんておっしゃってました)、また出版状況もかんばしくないので(子ども向けSFを出してくれる出版社が少ない、とか、ハードカバーでないと図書館のリーディングの人がレビューしてくれない、とか)なかなか難しいようです。
会場内から、イギリスの児童SF作家であり、Foundation誌の編集者、今大会でいくつかの企画のパネリストをされているファラー・メンドルソーンさんが現在の英国での子供のSF小説事情をお話してくれました。

このゴールデンダック賞は3部門に別れています。ピクチャーブック賞(3−7才向け)、エリナー・カメロン賞(7−11才向け)、ハル・クレメント賞(ヤングアダルト向け)。グバラさんは本当はエリナー・カメロン賞を分けて本当に簡単なチャプターブックの様なものと、普通の児童書部門を分けたいなどとおっしゃっていました。先立つものの問題で分けられないみたいでしたが(^^;)
ノミネート作品及び受賞作品のリストをもらい、眺めてみました所、ハリー・タートルダヴとか、ケイト・トンプソンとか見知った名前がちらほら。受賞作品ももちろんおもしろいでしょうけれど、ノミネート作品を読むのも楽しそう。
アマゾンで買えますか? と訊いてみた所、多分買えると思うけれど、もし取り扱いがないようなら、メールをくれれば、出版社の情報を教えますよ、とのこと。
とりあえず受賞作品はアマゾン日本での取り扱いがあったので、早速ぽちっとなしてしまいました。
ジュブナイルならなんとかなる筈・・・・多分。

ゴールデンダック賞の公式サイトはこちら

http://www.goldenduck.org/

オススメ本のリストなども載っています。

2007年の受賞者は

・Picture Book賞

Nickel, Scott and Steve Harpster(Illustrator) Night of the Homework Zombies [Stone Arch Books] 2006

・Eleanor Cameron 賞

Jansen, Mark and Zinicola, Barbara Day Apers [Dailey Swan Publishing] 2006

・Hal Clement 賞

Pete Hautman Rash [Simon & Schuster] 2006.

・ノンフィクション特別賞
Farell, Tish Write Your Own Science Fiction Story [Compass Point Books] 2006



14時〜 ハーバー・ラウンジ;ディーラーズルーム
Hさんと合流。エイミー・トムソンの朗読会かなにかに行きましょうか? という話もしたのですが、ちょっと休憩いれましょう、と企画にあったハーバー・ラウンジ方面へ。

ハーバー・ラウンジAはテーブル・ゲームの部屋、ハーバー・ラウンジB はカフェ・サイファイテークです。
テーブルゲームの部屋の方は外からちょっとのぞくくらい。いろいろなボードゲームの展示と、実際にゲームされている方々の様子がうかがえました。指輪のボードゲームの「モリア」の外箱も展示されてました。
カフェ・サイファイテークは「眼鏡+理系+白衣」が売りの企画カフェで、公式サイトはこちら。

http://scifitique.org/

私はとりたてて眼鏡萌えも白衣属性もない人間なのですが、「ハカセ」のメンバーにすごいひとがいるらしいとか、メイドロボの特別ゲストにエイミー・トムソンやアン・ハリスがいるらしいという噂でちょっとだけ寄ってみるいことにしました。

おお、「ハカセ」ボードに「谷甲州」や「堀晃」の名前が!! ちょっとくらりときましたよ。しかしカフェとしては飲み物・食べ物が充実している訳ではないので(^^;) ティプトリー賞戦記(ティプトリー賞選考会レポ)とカフェのパンフ購入だけして帰ってきました。

その後軽く食事をしてディーラーズルームをまたちょっと覗いて



15時半〜 マスカレード

串田アキラライブに行くかどうか結構悩んだのですが、ライブは体力が持ちそうになく、大人しくマスカレードへ。
マスカレード出場は12組、審査中は剱伎衆かむゐキル・ビルに出演、殺陣指導をやったグループらしい。知りませんでした)のパフォーマンスあり。
また「暗黒星雲賞授賞式」も行われました。暗黒星雲賞とはなんぞや? まさかラジー賞みたいなもの? といぶかしく思ったのですが、プレゼンターの言によれば「日本SF大会で良い・悪いを問わずあげたいモノ(・人・企画)にあげる賞」だそうで、今回の受賞は以下の通り。

企画部門 男の子ははなぜ飛行機を作るのか 
ゲスト部門 横浜市長 中田宏
コスチューム部門 ちびロボメイド 様
自由部門 受付
幸運部門 新庄さくら 様
月曜部門 ディヴィッド・ブリン 様


http://www.gg.e-mansion.com/~kkatoh/ankoku/ankoku.html

受賞理由は本人が欲しいと言っていたから、とか可愛いから、とか、ひどかったから、とかそんな感じでした(^^;) 組織票とかなんでもアリだそうな。今回の副賞は日本らしいもので、と言って唐草模様の風呂敷に包まれたダルマでした。

企画参加はこれでおしまい。

ディーラーズルームとかすれ違った有名人とか、大会全体の感想などはまた後で