るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

The Heroes

The Heroes

0207144583Heroes, The
Ronald McKie

Angus & R 1982-05-06
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by G-Tools[t]:Heroes, The[an]:Ronald [as]:McKie

読んでます。文自体はそれほど凝ったり分かりにくい文ではないのですが、単語や略語にかなり手こずる感じです。

これは海用語、軍隊用語では何になるの~とか、そんな略語で書かれても、どの組織の事を指しているのかわかりません、状態。あまりこだわり過ぎていると先に進めないので適当にとばしつつ読んでいます。そして話が結構あっちこっち行くのでそれを追いかけるのがちょっと大変というか。とある人物について話があって、それはそこでおいといて、次ぎの章でまた1年遡って別の人物について、話がはじまったりするので・・・

しかし近代史を学校その他でほとんどやってきていないツケがここにきて出ているというか、太平洋戦線の復習ということになって唸ることしばし。漠然と考えていた以上に、オーストラリアは、戦域に近かったんだという認識を今さらながら新たにしました。オーストラリアのシドニーと、ニュージーランドオークランド間の距離よりも、オーストラリアの北部都市ダーウィンとパブア・ニューギニアの首都ポートモレスビー間の距離の方が短い。というより、ニューギニアとオーストラリアって一番近い所は海峡一つしかへだたっていないのです。

この小説を読んで日本語でコメントつけるような酔狂な人間はあまりいなかろうと思うので少々まとめて行ってみます。小説の内容に関してあまりネタバレ配慮はいたしませんのでそのおつもりでお読み下さい。

Operation Jaywickに限らず、太平洋戦争中はいろいろな作戦が草案され、そのうちのあるものは実行され、あるものは実行されず、また実行されたもので成功したもの、失敗したものとありました。1942年の2月にシンガポールが日本軍に占領された後、シンガポールにいた、イギリス軍の情報部(・・と言ってよいのかな? 破壊活動を行ったり、ヨーロッパのレジスタンスを組織したりしてきたグループ)の主体がオーストラリアに移ります。そしてオーストラリアでInter-Allied Services Department(I.A.S.D) という破壊活動組織(subversive-sabotage Organization)が作られました。その組織の中のZユニットが、Operation Jaywickを行った主体になります。

Operation Jaywickを大ざっぱに述べると、オーストラリアからシンガポールまで、秘密裏に航海していって、港の近くまでいったら、カヌーでこっそり近づき、船に爆弾をしかけて爆発させて帰ってくるというものです(すごいおおざっぱな説明だ)

そもそも、カヌーで近付いて破壊活動をするいう作戦を発案したのは、戦後タスマニア大学の地質学の教授になったSam Careyで、彼は戦時中パブア・ニューギニアで、油田の地質学者として働いていて、ニューギニアの地形、天候、地元の住人、について良く知っていました。もともとはそのニューギニアにあったソロモン・ニューギニア戦線上、日本軍最大の軍事基地ラバウルへ対しての作戦として発案されたようです。

その一方で、侵攻前に、シンガポールにいた、Ivan Lyon 大尉(英陸軍情報部;The Gordon Highlanders(スコットランド連隊)所属)は、無謀とも思えるシンガポール帰還作戦を発案しています。(retun-to Singaporeを帰還と訳してみましたが、つまるところイギリス軍がシンガポールに帰るということで奪還計画という事でしょうけれど)彼はシンガポールで、英国所属の日本船"Krait"があることを知り、それを使っての作戦を立案しました。

Operation Jaywickは、時期的なタイミングその他の要素がからんで(多分)この2つがあわさった感じの作戦のようです。

作戦は、

目標:シンガポールの港での破壊工作

チームは総勢14名、内訳は以下の通りです。

リーダー: Ivan Lyon 少佐

破壊工作チーム : サブリーダー:Donald Davidson 中尉

Bob Page 中尉

Cobber' Cain 先任上等水兵

Poppa Falls 臨時上等水兵

Joe Jones 臨時上等水兵

Happy Huston 臨時上等水兵

Boof Marsh 臨時上等水兵

Berryman 臨時上等水兵

Taffy Morris伍長

Krait船乗員

Ted Carse 中尉 (航海士役? 実質上のKraitの船長?)

Paddy McDowell 主任機関士

Horrie Young 主任電信技士

Andy Crilley 伍長(調理係)

小説はTed CarseがメルボルンのI.A.S.Dに秘密裏に呼ばれるところから始まり、作戦の背景、チームに参加するメンバーのそれぞれの背景を語りつつ、第8章でとうとうオーストラリアを離れる所になり、いよいよ第9章からOperation Jaywick発動です。