His Majesty's Dragon77/356頁
His Majesty's Dragon Naomi Novik Ballantine Books (Mm) 2006-03-28 売り上げランキング : 20366 Amazonで詳しく見る by G-Tools [t]:His Majesty's Dragon[t]:Temeraire[an]:Naomi [as]:Novik |
読み始めました。ナポレオン戦争時代の話です。せんに読んだThe Diamond of Drury Laneとほぼ同時代(多分10年後くらい)。しかし決定的に違う所があって、この物語では、「Dragon」が実在しているのです。その戦闘能力、飛行能力から、この時代の戦争にも投入されているという設定です。
ピーター・ジャクソンが、映画化権を取った、というのでちょっと話題になった話です。
主人公は、イギリス海軍のウィル・ローレンス。とある戦闘で、捕獲したフランス船に孵化寸前のドラゴンの卵があった、というところから話が始まります。ドラゴンは孵化してすぐに一人の人間と絆を作る(この設定はどっかで聞いた事がありますね(笑) でも「感合」はしませんでしたよ)事が知られています。ドラゴンとそういった絆を持つということは、船から降りなければいけない、ということ(プラス、空軍の評判があまり芳しくないとか、ドラゴンと暮らすためには町中には住めないとか、ドラゴンと絆をもった男と結婚しようなんていう女はいないだろう、とか海軍の人間にとってはデメリットの方が強いみたい)。ここは一つ平等に、とくじをひいたのに、孵化したドラゴンは、餌付けしようとするカーヴァーを無視して、開口一番、ローレンスに向かって「なんでそんなしかめっつらしてるの?」
結局ローレンスはドラゴンのパートナーになります。
ということで第一部はローレンスとテメレア(テメレール? Temeraireってなんて読むんでしょう)がパートナーになって、ジブラルタルの空軍の所へ行こうというあたりまで。
ナポレオン戦争の時代といって、ナイルの海戦は終わっていますので 1798年以降。トラファルガーの海戦の話は本文中まだ出てきません。これからかな? まさにホーンブロワーやシャープの時代です。
ローレンスは12才の年から海に出て、18年の海上生活、と書いてありましたから、30才くらいでしょうか。30才でフリゲート鑑の艦長、というのは若手の船長の中で、出世株なのかな? 責任感があって、頭が良くて、テメレアをとても大事にしてます。
でこのドラゴン、テメレアがとーってもカワイイんです。賢くて、物怖じしなくて、勇敢で。今は子供時代なので余計にカワイイのかなあ。(子供といってもサイズ的にはもう大きいですが)
ファンタジーというよりは海洋冒険もの、軍隊モノだと思います。それこそ、ホーンブロワーとか、シャープとかボライソーとか、マスター・アンド・コマンダーとかが好きな方には、楽しめる話だと思います。ムリだったら投げようで、読み始めてみたのですが、まわりくどい表現もあまりなく(これから?!) ドラゴンこそ出てきますが、その手の話(海洋冒険もの)の進み方に則っていますので、話が迷錯綜することはなく、素直に読んでいける印象です。現時点でのYLの印象は7.5くらいかな。このままがんばってみよう(笑)
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そうそう、この作者の Naomi Novikさんは、ポーランドから移住してきた両親の元に生まれ、6才で指輪物語を読み、その後ジェーン・オースティンに傾倒して、ブラウン大学で英文学を学び、その後、コロンビア大学でコンピューター・サイエンスを学んで、コンピューターのゲーム・デザイナーになったという方。
本人によれば、高校時代は「典型的なヲタク」だったそうです。
映画「マスター・アンド・コマンダー」の大ファンとのことで、PJの映画化権のオファーはすっごい嬉しいでしょうねぇ。