るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

The House of Crows

The House of Crows2697/3751

The House of Crows (Sorrowful Mysteries of Brother Athelstan)The House of Crows (Sorrowful Mysteries of Brother Athelstan)
Paul Doherty

Headline Book Publishing 2001-06-09
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>The [t]House of Crows (Sorrowful Mysteries of Brother Athelstan)[an]Paul [as]Doherty

chapter8-10

その夜、フランシス卿はPerlineと会うためChapter houseのpyx chamberへ出かけました。pyx chamberは無人でした。フランシス卿は20年以上前の事を思い起こします。彼らはアーサー王と円卓の騎士たちの精神的な継承者で、ある日、「聖杯」を見つけました。学識ある神父に鑑定してもらい確かに彼の時代のものと評価されて喜びましたがある夜聖杯は消えてしまいました。仲間内に不和の種が膨らみ、何もかもが悪い方へと進み、ハーネットと仲間たちは魂が闇へ滑り落ちるにまかせてしまったのです。そもそもハーネットは議会に来たくはなく選ばれないよう努力すらしたのに、ふたをあけてみれば代表に選ばれ、殺人が起こった後帰りたくても、ゴーント卿に止められ帰れないでいた。扉に人影が現れ、Perlineかとハーネットは思ったがそうではなく、その人影は、"Di­es Ir­ae"の文句を唱えながらハーネットに矢頭とろうそくと羊皮紙を投げつけました。ハーネットは過去を思い出しながら跪き、その首に斧が振り下ろされました。

その頃アセルスタンは教会でボナヴェンチャーを可愛がりながら、これまででわかっていることをまとめながら書き付けていました。

1: Swynford卿とBouchon卿は白鳥の騎士団と呼ばれる強大な集団に属していた

  この集団に何が起こったのか?

  矢頭、ろうそく、羊皮紙は彼らの騎士道追求に関係しているのか?

  二人の死は団の崩壊と関係しているのか?

  穀物輸入の件以外で騎士たちが対立していることはあったのか?

  何の秘密を共有しているのか?

  Benedict神父が既になくなっているAntony神父を通じて騎士たちと知り合いなのは偶然か?

Hernet卿がPerlineを訪ねたのはなぜか? そしてそのことをなぜクランストン卿に言わなかったのか?

Bouchon卿が月曜の夜に会っていたのは誰か? 彼の爪に残されていた土はどこのものか?

なぜ彼らはシュールズベリに帰らないのか?

翌朝、ブラックフライヤー教会からアーミティジ神父がやってきました。彼はロンドンの東地区のエクソシストで院長に言われエルサムに行く途中、アーコンウォルドに寄りにきたのでした。神父はこの18ヶ月のうち55件の悪魔払いは自然現象で説明がつき、ある1件は悪徳に染まった男によるものだったと言い、「ここサザークにいるのも「悪魔」そのものでないだろう。君は教区民たちを落ち着かせ、与えられた証拠を調べ、その何かの弱点を探せ。それを見いだした時謎は明らかになるだろう。」と言いました。そして「もし君が一週間以内に悪魔を見つけ出せなかったそのときは私は戻って来て悪魔が見つかるまでここにいよう」と言いました。

アーミティジ神父は立ち去り、食べ物を持ってきてくれたベネディクタが街が不穏であることをアセルスタンに告げ、彼に気をつけるよう言っているところにクランストン卿が飛び込んで来ました。Hernet卿がpyx chamberに殺され、ゴーント卿の命で解決のためにガーゴイル亭に泊まり込みだと言います。アセルスタンは教会のことそベネディクタに頼み、クランストン卿と出かけました。

ガーゴイル亭で検視。Hernet卿が殺されたpyx chamberのあるエリアに入るには特別の許可状が必要でしかも武器の携帯は許されていない。歩哨たちは許可状と武器の有無をチェックしているけれど、出入りの人間はあまりに多く、また夕方にフードをかぶられた状態では誰が誰とははっきり認識できないとカバーディル卿から言われます。

アセルスタンはもし修道僧が殺害者だったら? と尋ねますが、僧たちはクロイスターは使えるけれども、Chapter houseは制限されていてもし入ろうとすれば兵士たちは覚えているだろう、と答え、もし兵士が殺人者だったら?と聞いてカバーディル卿が怒ったところに、宿の女中クリスティーナがやってきて、騎士たちが「見つかった」と興奮して騒いでいると伝えにきました。

騎士たちのところにいくと、かつて消えた自分たちの「聖杯」が誰かの手によって届けられたのだと言います。誰がなぜ騎士たちのところに持ってきたのかわかりません。

アセルスタンは騎士たちにHernet卿のことを尋ねましたが彼がなぜお互いで約束していた勝手に外に出かけないというのをやぶってpyx chamberに出向いたのかまったくわからないと言います。

アセルスタンとクランストン卿はHernet卿の持ち物を調べます。取り立て重要そうなものははっきりしませんがアセルスタンはHernet卿の時祷書を持ち出し、騎士たちの「聖杯」を部屋において宿の亭主に部屋に鍵をかけてもらうよう頼みました。

二人はウェストミンスターの現場を見た後、Faith chapelでベネディクト神父と会いました。そして開口一番「あなたが聖杯を持ってきたんですね」というアセルスタン。聖杯は彼の友人のAntony神父が騎士たちの元から盗み出したものだったのです。Antony神父は白鳥の騎士団たちの行いを善しとしておらず、それゆえ彼の犯した盗みは罪ではないと言っていたのです。しかし彼は臨終の際にもしベネディクト神父が良ければ聖杯を彼らに返すよう言いました。ベネディクト神父は返す気はなかったのですが、騎士たちが殺されるにつれ、この杯のためにそうなっているのかと返す事にしたのだといいます。

なぜわかったのかと問う神父に、アセルスタンは、宿でのあなたの不安げな様子、Antony神父とのつながり、そして戻された聖杯からワインと磨き粉の匂いがしたことからわかりましたと言います。

アセルスタンは、杯を返したことは良いと思いますが殺人とは関係ないと言い、他に何か役に立つような事を知りませんかと尋ねますが、神父は知らないと言います。

神父が退出した後、クランストン卿は、ここの記録部屋にあるシュールズベリがらみの裁判の記録や州長官からの手紙を調べよう、その許可を取ってくる、と出かけていきました。アセルスタンはそれを見送り、そのまま部屋でハーネット卿の時祷書を眺めていました。その時祷書は美しく装飾されていてその中にあった一枚の絵が彼の注意をひきました。

調べものの許可をもらってきたクランストンに記録は後と言いだし、Perlineの居場所がわかったと言います。

二人はサザークへ戻り、Perlineの家へやってきました。応対に出た彼の妻であるSimplicatasにもうわかっているから彼を出しなさいと言います。Perlineは家に隠れていたのでした。PerlineはTowerでの仕事は待遇は良かったもののすぐに飽きてしまったこと、その後園内の動物園に行くようになったこと。その中のバーバリー・エイプの一匹にえさなどをあげて仲良くなったこと。ハーネット卿がやってきたときバーバリー・エイプを買いたがったためそれを了承してエイプを外へ連れ出し、アーコンウォルド教会のDeath houseに入れておいたこと。ちょっと眼をはなした隙にエイプは逃げだし、ハーネット卿の怒りを恐れてそれからずっと家にこもってかくれているのだ、ということを話しました。アセルスタンはハーネット卿が殺された事を二人に話し、おびえる二人に、ハーネット卿からエイプの代金としてもらった10ポンドのスターリング銀貨を使って、まずアーコンウォルド教会にいってワトキンたちに一人一ポンド払ってエイプをさがしてもらうよう頼み、エイプはまた戻ってくるだろうから、扉をあけたケージの中に新鮮なフルーツを入れて罠をはり捕まえるようにしなさい、と言います。そして捕まったら一ポンドでMoleskinをやとって船でエイプを連れて塔に戻り、constanbleに一ポンドやって取りなしてもらえ、と言います。

ということで8-10章。ハーネット卿は殺されてしまいました。殺人の謎は解けませんが、Perlineの失踪事件とサザークの悪魔の正体の謎は解けました。

サザークの悪魔の正体は、Perlineが逃がしてしまったバーバリー・エイプだったんですね。

しかしPerline、いくら太って大きいからといって、そのエイプに「クランストン」って名前をつけるのはどうなの?!

ちょっとずつじわじわ謎が解明されていきます。