るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

The Cater Street Hangman

The Cater Street Hangman 総語数84000語 YL7

The Cater Street Hangman: The First Charlotte and Thomas Pitt Novel (Mortalis)The Cater Street Hangman: The First Charlotte and Thomas Pitt Novel (Mortalis)
Anne Perry

Ballantine Books 2008-09-30
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The [t]Cater Street Hangman: The First Charlotte and Thomas Pitt Novel (Mortalis)[an]Anne [as]Perry

犯人の目星はまったくつかないまま、3人目、4人目の犠牲者が出てしまいます。二人とも若い女性で同じくCater streetで殺されたのです。ピット警部は足繁くエリソン宅にやってきて聞き込みを行い、エミリーは彼はシャーロットを崇拝しているのだと言います。そうこうしている間にシャーロットの義兄ドミニクに対する秘めた想いがさらけ出されたり、義兄ドミニクと父エドワードの不貞が発覚したり、アシュワース卿の乱交がとりざたされたり、とシャーロットの家族の中が混乱しているところに今度は長姉のサラが殺されてしまいました。失意と混乱の中で犯人とその動機がついに明かされます。

ということで読み終わりました。舞台はヴィクトリア朝ロンドンですが、語り口は平易で極端に難しいいいまわしや単語もなく読みやすい本でした。YL7くらいかな?? ヴィクトリア朝ロンドンの雰囲気や社会情勢にうといともうちょっと難易度があがるかもしれません。

犯人の動機に関しては作者の経歴を思うとちょっとうわぁ、という気がしないでもありませんが、うがちすぎかな。

そして犯人の謎解きもさることながら、当時の社会情勢や、暮らしぶりなどがいろいろ読み取れておもしろかったです。

アッパーミドル(多分。ミドル・ミドルかもしれませんが)クラスのシャーロットと、ワーキングクラスのピット警部との恋の前途多難ぶり、というかまず想定外という状況が21世紀の日本に生きる自分としてはうわー、という感じです。そういった所も読みどころの一つなのかな。

ピット警部のシリーズはミドルクラス以上の家庭での犯罪をワーキングクラスの警官が捜査する難しさというところも味わいの一つだと思います。江戸時代に十手持ちの岡っ引きが武家屋敷内で起こった事件に手を出せないのに似た雰囲気かも、などと思いつつ。

2巻目以降もぼちぼち読んでみたいと思います。