るるむく日記

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Chirstmas Journey

Chirstmas JourneyYL7.5 総語数37000語

An Anne Perry Christmas: Two Holiday Novels (The Christmas Stories)An Anne Perry Christmas: Two Holiday Novels (The Christmas Stories)
Anne Perry

Ballantine Books 2009-03-25
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An [an]Anne [as]Perry Christmas: [t]Two Holiday Novels [t]Chirstmas journey

Ballachulishにたどりついたところ、Mrs.Naylorはそこにはおらず、1年前にGlen Orchyに行ったと言われてしまいます。Glen OrchyはBallachulishから南東にある、ロモンド山の麓で、そこに行く道は馬車などは使えず、行くならば馬に乗ってということでガイドとハイランドポニーを準備してもらい、雪の中、VespasiaとIsobelはGlen Orchyへ向かいます。辛い寒さと満足な食事もなく、夜は山小屋のようなところでしのぎ、数日かけてたどりついた先にMrs.Naylorはいました。Mrs.Naylorに娘の死と、その死に自分の言葉が寄与してしまったことを告白する、Isobel。Mrs.Naylorは死の知らせに取り乱すことなく、二人に伴いアップルクロスへ旅することを約束します。

翌朝、Vespasiaの部屋を訪ね、彼女がIsobelの旅に同伴した理由を尋ねます。彼女がついてこなければIsobelはこの旅を中断してしまうだろうからというのはわかるけれど、では何故? という問いかけに、VespasiaはIsobelの困難な旅に同行することは友情のあかしであり、自分にとってそうすることが正しいと感じということと、彼女自身が、贖罪の旅を必要としていたのだと伝えます。Vespasiaは1848年の、イタリア革命時期のローマで生涯一度という恋に落ち、そのことを捨て去って現在にいる、ということがずっと心に残っているのでした。

Glen Orchyからグラスゴー、ロンドン経由でのアップルクロスへの旅の間、VespasiaはMrs.NaylorがGwendolenの夫Kilmuirを見殺しにしたためにGwendolenと疎遠になったのかと考えていたのですが、そうではなく、Kilmuirが死んだときそのそばにいたのがGwendolenで、立場を入れ替える事で娘をかばっていたことを知ります。

アップルクロスでMrs.Naylorは娘の死はIsobelの言葉のせいだけではなく、既に彼女が背負っていたい重荷に、Isobelの言葉が最後の藁の一束となって引き起こされたものである、と言い、全ては終わった事だと言います。

長い冬の旅がようやく終わりました。まったくの濡れ衣か真実だったかはわかりませんが、Gwendolenとfootmanとの情事をほのめかし、離婚しようと画策していたKilmuirを結果的に死なせる事になったGwendolenはそのあやまちの秘密をずっと抱え込んでいて、2度目の結婚が近いと思われたその時に、Isobelのあてつけの言葉を聞いて、流言が消えない事を知り、この先もずっと同じように言われるのかと恐れた事、プロポーズしてくれるものかと思っていた男がその台詞の後で声をかけてこなかったことが彼女を絶望へと駆り立てたという事だったのでしょうか、Kilmuirの垂れ流した毒がいつまでも残ってみんな不幸になったイメージ。しかしこの時代の女性の立場の弱さというのは辛いものがありますな。

アンペリーらしいbitter happy endというか、なんとなく先は見えつつもすっかり読まされました。

語数はほぼ同じ長さと考えられるChristmas visitorのオーディブル版が3時間57分だったので、3時間50分を160語/分と考えて計算してみました。まあ大体こんなものでしょう。