るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

Letters of Tolkien No.82

82:1944/9/30 FS52 クリストファー・トールキン宛て

 

Letters of J.R.R. Tolkien: A Selection

Letters of J.R.R. Tolkien: A Selection

 

 

  短めの手紙。指輪原稿をタイプしてくれる女性ができたので、もっとすぐに原稿を送れそう。これ以上(指輪を)書くべきと思えないが、クリストファーが読んでくれると思うから、書ける。今は校訂にとりかかっている、など。
 
手紙によれば、「黄金館の王」の章を校訂して、より良くなったように思われるとのこと。

十六歳の闇

これで!! ついに!! 「十六歳の闇」につながった!!!

 

十六歳の闇 (集英社文庫)

十六歳の闇 (集英社文庫)

 

 

原題は

 

 

 このトーマス&シャーロットのシリーズは事件にかかわる場所がタイトルに入ってるんですね。

 

 

Rutland Place

Rutland Place 216/218 chapter10

 

 

Tormodは亡くなってしまいました。トーマスの元へAmaryllis Denbighがやってきて、Minaを殺したのは兄に懸想していたのがゆるせずにいたEloiseだと言います。しかし嫉妬のために殺害するとすれば、Tormodが結婚するつもりでいたAmaryllisの方のはず、とシャーロットが指摘します。トーマスとの会話の間にシャーロットはあることを思いつきます。

以下犯人ついてのネタバレ

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Rutland Place

Rutland Place 197/218 chapter9

 

ひどい二日酔いの中目覚めるシャーロット。トーマスはかなり怒っており冷たい態度。昨晩の話を伝え、休んでいるところにエミリーがやってきました。

エミリーに昨晩の顛末を伝えるシャーロット。

 

エミリーは父親に母親をかまうようもちかけるために昼ご飯の約束を取り付けており、シャーロットと訪問。

ほのめかし、というにはだいぶ強すぎる感じで父親に伝え、父親も思うところがありそう。

 

そしてシャーロットはパラゴンウォークのPaul Alaricの元を訪ね、キャロラインとのことを控えてほしいということと、Theodora von Schenckの収入のわけを尋ねることに。

あいかわず搦め手で行くということをしない人だ(多分できない)

Paul Alaricはちょっと魔性の男っぽい感じですね。

そこへキャロラインがやってきます。

シャーロットはPaulはキャロラインを愛しているわけではないし、キャロラインのPaul Alaricへの想いも愛でなく、勝手に彼へ幻想を押し付けているだけだ、と言いたてます。

本当の事だけど辛辣だね。

 

そして寡婦であるTheodora von Schenckの収入のわけが、バスルーム用の家具を売ることだと知って拍子抜け。

 

そうなるとやはり秘密を知られて殺人、となると、まだわからないけれどLagarde兄妹に何か秘密があって、それを知られたがために、EloiseがMinaを殺したのかな???

 

 

 

Rutland Place

Rutland Place 178/218 chapter8

 

カントリーハウスに行っていたTormod Lagardeが、馬車の事故で大けがを負い、Rutland Placeに帰ってきました。

キャロラインに呼びだされたシャーロットはエミリーと3人でEloiseを訪ねますが、彼女はショックで心ここにあらずといった感じ。

同じくEloiseを訪ねてきたInigo Charringtonと話すシャーロットは、彼がRutland Placeでの小さな盗難事件の犯人を知っていること、また、Ottilie がどこで亡くなったかを教えるので、夜6時に馬車でやってくるように言われます。

シャーロットはエミリーから馬車をかり、Inigoに連れられて、いった先は、ミュージックホール! こんなところに! と憤るシャーロット。そしてそこに現れた歌姫、Ada Church。素晴らしい歌(と飲まされたシャンペンで)にシャーロットも一緒に歌いだすほどの興奮の中に。

歌い終わったAdaがテーブルにやってきて、彼女こそが、Ottilieだと、Inigoはいいます。二人の似通った顔つきから真実とわかるシャーロット。

そして盗難事件の犯人は彼らの母親Ambrosineで、Inigoは分かり次第品物を返していたのだといいます。

 

そしてよっぱらったまま送られて家に帰るシャーロット。家で怒り心頭のピットがいますが・・・ 以下次章

 

こういうとこみると、やっぱりシャーロットってお嬢さんなんだなーと思っちゃいます。トーマスもひやひやだ。

Letters of Tolkien No.81

81:1944/9/23-25 FS51 クリストファー・トールキン宛て

 

Letters of J.R.R. Tolkien: A Selection

Letters of J.R.R. Tolkien: A Selection

 

 

 
クリストファーは南アフリカのスタンダートンに移動に。
 
教授は、もっと良いできになっている、二つの塔第四章の「香り草入り兎肉シチュー」から、10章の「サムワイズ殿の決断」の原稿をクリストファーに送るつもりとのこと。
 
「オックスフォードでは街の明かりが増えてきている。家々の窓もそうだし、街路灯の明かりも2列になった」とのこと。
 
この時期はフランスが解放されて、連合国側が優位になっていて、イギリス本国もそういう雰囲気になっていたのでしょう。
 
インクリングスからの帰り道ウィリアムスと、"freedom"が関連した概念における共通の要因が何か、ということを見出す困難さについて話した、とあり、
それに続いて戦争における、現在の政府の見解や報道に対する考えが述べられています。
 
 「ヒットラーは粗野で無教養な卑劣な男であるのはわかっている。しかし、ドイツ語をしゃべらない者たちの中にも粗野で無教養な卑劣な男は多くいるように思われるし、彼らは同じ機会を与えられていたらヒットラー的な特性のほとんどを表すだろう。」
「 おまえは敵に変化することなく、自身の「指輪」を使って敵と戦うことはできない。
しかし不幸な事にガンダルフの賢明さははるか昔に西へ彼と共に過ぎ去ってしまったように思われる。」
 
教授は「邪悪さ」というものが単一の国だけに存在するものではなく、どこの国、どの人種にも存在しうるということを言いたかったのかな。
 
「私は「Pearl」に取り掛かからなければいけないが、熱意が止まっている。
旅心がつき、ナップザックをしょって、ふらふら出かけたくなっている。
 
 
 
脚注へのコメント:
インクリングスで、ルイスがヴァージルの翻訳をしたものを朗読したのを聴いた。出版されなかったけれど、ルイスがウェルギリウスのアエネイスを翻訳していたとのこと。おもしろい。
 
それから、教授がクリストファーさんに送るつもりの原稿、
(Of Herbs and Stewed Rabbit; Faramir; The Forbidden Pool; Journey to the Crossroads; The Stairs of Kirith Ungol; Shelob’s Lair; and The Choices of Master Samwise).
とあって、この頃は第5章は「ファラミア」で、「西に開く窓(The window of the west)」じゃないんですね 。