Letters of J.R.R. Tolkien: A Selection
- 作者: J. R. R. Tolkien
- 出版社/メーカー: HarperCollins
- 発売日: 2005/04/01
- メディア: ペーパーバック
- この商品を含むブログを見る
124:1950/2/24 スタンリー・アンウィン卿宛て
[アレン&アンウィンは読者の問い合わせを渡したートールキンが「Authentic History of Faery(妖精の真の歴史)」を書いたかどうかということについて]
親愛なるアンウィン
休暇中だったが、セルビー氏から渡されたあなたの質問にもっと前に答えるべきだった。セルビー氏が何について言及しているのかわからない。
私はもちろん、「Authentic History of Faery(妖精の真の歴史)」を書いていない。流言の根拠はない。セルビー氏は私と妖精を関連付けていて、私の名前を誰かの仕事に張り付けたのだと思っている。
あなたは、「指輪物語」の原稿を見たいと、手紙であらわしてくれた。一部は未改訂ではあるが、完成した。
私の作品は私の支配をのがれてしまった。私は怪物を作り上げてしまった。それは、莫大な長さで、複雑で、悲痛で、そしてとても恐ろしいロマンスで、子供には不向き(もし誰かに向いているということがあるとしても)だ。
「私は(出版)したい」ー「私は(出版)していただきたい」と言うのがより賢いかもしれないーなぜなら、小さな包み、言ってみればー100万語ーの物事ーアングロサクソン人(もしくは英語をしゃべる大衆)がなんとか耐えうる、と提示されたものーは光をみることができそうにないー紙が自由に利用できたとしても。
私はいかなる思い切った書き直しも圧縮も考えられない。
あなたが、明らかに利益にならない申し出を断って、何かより妥当な本を提案するよう願っても、私はどんな不満も申し立てない(し、ひどく驚くこともない)
****************************************************************
100万語の本を a little packetというのはいかがなものか・・
そして指輪物語の原稿をタイプしてもらうのに見積もりでは100ポンドになり、余裕がない、という事も書いているのですが、100ポンド。現在のレートでは16000円くらいですが、Currency converterというサイトで、1950年をみてみると2017年換算で3,120ポンドと出る。そうすると40万円くらい。うーんこれでは、教授をして「自分でほとんど全部タイプする」になりますね。