- 作者: Ben Rice
- 出版社/メーカー: Vintage
- 発売日: 2002/06/06
- メディア: ペーパーバック
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舞台はオーストラリア、オパール採掘の街で暮らすアシュモルとケリーアンの兄妹。ケリーアンには他の人には「見えない友だち」、ポビーとディンガンがいた。その二人が行方不明になってしまった。二人を捜している所をオパール盗掘と間違われてしまったパパ。町の人たちと家族の間はおかしくなってしまった。二人がいなくなってすっかり落ち込み病気になってしまったケリーアン。アシュモルはポビーとディンガンを探すことにするが・・・というストーリー。
終わってみると真夏のクリスマス・ストーリーだったなあという印象です。
アシュモル君のけなげさと、ケリーアンの繊細さとが、際だってました。
子役二人の熱演もさることながら、パパ役のVince Colosimo、ママ役のJacqueline McKenzie、かかりつけ医者役のDavid Field、"Mooseum"館長役のRobert Menzies、が皆さん好演。しみじみとしたドラマでした。
この家族はどうやらこの街に越してきてから1年ちょっとくらいしかたってなくて、しかもパパは前 科持ち(何でかはわからないけど、裁判のシーンで「「盗み」でじゃないぞ!」 とか叫んでいたので、イメージとしてはカッとなっての暴行罪とかなんではないかと勝手に邪推。)でということでどうも色メガネで見られてたのかなーと勘ぐる部分もあり、まあとにかくこの家族はそもそも街のコミュニティに溶け込んでないようなんですね。だから盗掘の疑いをかけられてもあっさり信じられてしまったのではないかなど、ヨソモノ排他的な雰囲気になんだか少しOklahoma!なんぞを思い出してしまって、アメリカの開拓時代とかにイメージがかぶる。 ― 現代の話なのですが。
それでも救いになるのは、それぞれの場所で、突き放す人とサポートする人と、それぞれに出てくるところ。
その辺が裁判所でのシーンにつながっているかと思います。
私は葬儀屋さんがお気に入り。アシュモルが彼に渡したオパールはそもそもどれほどの金銭的な価値があるものだったのか、いろいろ考えると、映画でははっきり描かれていない街の人たちそれぞれの本音がどんなものだったのか、深読みしたくなってしまうのでした。
ラストのケリーアンの嬉しそうな顔にココロが和みました。本当にアシュモル君はいいお兄ちゃんでした。
ちなみにパンフレットは表紙がきらきらしたそれこそオパールのような印刷がされていてキレイでした。しかし中身で原作に関する映画との違いに関する超弩級のネタバレをしてくれやがってちょっと怒りモード。これから原作読むつもりだったのに〜!!(もちろん読みますが)原作未見で映画をご覧になって、原作も読むつもりの方はパンフにご用心を(ってもうそういう方はいらっしゃらないかも)