るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

キングとジョーカー

キングとジョーカー -たとえ「もしも」の世界であっても、殺人は当然起こりうる- 架空の家系をたどった英国王室を舞台に、王女ルイーズが、「ジョーカー」と「王室の謎」を追う
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POPPIN BOOKS

作者はピーター・ディッキンソン。 かつてサンリオSF文庫に出版されたものを復刊だそうです。なんとも味わいのあるパラレル・ワールド・ミステリでした。パラレル・ワールドといっても、何かSF的な味付けがある、という訳ではなく、「もしアルバート・ヴィクター(クラレンス公・ヴィクトリア女王の孫)が肺炎で亡くならず、そのまま即位して婚約者と結婚してこどもを残していたら」という仮定の元に生まれた架空のイギリス王室を舞台にしているというもので、その他の歴史的事実に大きな変化があるわけではありません。
ロイヤル・ファミリーを中心にした大がかりな「いたずら」と、いたずらがエスカレートした先の殺人事件、それに加えて見え隠れするロイヤル・ファミリーに関する謎、といったものに弱冠13才のルイーズ王女が巻き込まれ、立ち向かっていくというストーリーです。これが一筋縄でいかない、含みのあるストーリー展開でおもしろかったです。未邦訳ですが、続編もあるようなのでちょっと誘惑が。

私にとってピーター・ディッキンソンはエヴァが目覚める時

エヴァが目ざめるとき

エヴァが目ざめるとき

というこれもなんというか非常に衝撃的な話書いたひと、という印象だったのですが、あそこまでの衝撃はないけれど、やはり読み終わって唸ってしまいました。

そうそう、このディッキンソン氏、ロビン・マッキンリィと結婚してるんですね。なんだかびっくり。(共著もある様子)ダマール王国

青い剣―ダマール王国物語〈1〉 (ハヤカワ文庫 FT80)

青い剣―ダマール王国物語〈1〉 (ハヤカワ文庫 FT80)

英雄と王冠―ダマール王国物語〈2〉 (ハヤカワ文庫FT)

英雄と王冠―ダマール王国物語〈2〉 (ハヤカワ文庫FT)

も復刊してくれないかしらん