るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

フランチェスコの暗号

フランチェスコの暗号〈上〉 (新潮文庫)

フランチェスコの暗号〈上〉 (新潮文庫)

フランチェスコの暗号〈下〉 (新潮文庫)

フランチェスコの暗号〈下〉 (新潮文庫)

読了。・・・しまった。あおり文句にだまされるんじゃなかった。「ダヴィンチ・コードに続く」、とか「全米ベストセラー映画化決定」とかいうあおり文句を読んで。つい「ふうん?」
とはすに構えてしまってました、ごめんなさい。
えーと、謎解きの部分も良かったのですが、やはりそれ以上に、訳者の柿沼さんもあとがきで書かれていらっしゃいますが、「青春小説」の部分が中心で素晴らしいのだと思います。
プリンストン大学卒業を控える4人の若者の話。もともと私は「友情」といったものに弱いのですが、こういうのはかなりツボにきます。

処女作ということもあってか、多少こなれていない所もないわけではありませんし、もう一声、とつっこみたいところもありますし、ラストはこうなるだろう、という読みもあるのですが、それにしても、やはりラストの清々しさにはつい心を打たれます。

時期的なものと、稀覯書解読など、ダヴィンチ・コードや、薔薇の名前引き合いにだされる事もありますが(もちろんそういった面もありますが)
私は読んだ後、キングの「刑務所のリタ・ヘイワース」や「スタンド・バイ・ミー」を少し
思い出しました。これらの話とは全然違いますけれど(笑)読後感という意味で。


ダヴィンチ・コードは映画化でもいいけれど、フランチェスコの暗号は映画化してほしいようなしてほしくないような。映画化すると、この本にある4人の危うい揺らぎのようなものが消えてしまうような気がするのです。