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魔術師を探せ 高度に発達した科学は魔術と見分けがつかない。(アーサー・C・クラーク) ならばその反対は真であるだろうか?
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魔術師を探せ! (ハヤカワ・ミステリ文庫 52-2)

魔術師を探せ! (ハヤカワ・ミステリ文庫 52-2)

ずっと気になっていたのに読んだ事がなかった本(気になった頃には絶版でした)。2005年に再販していたのをついこの間購入、読みました。想像していたのとなんだか違って普通にミステリだ、と思ってしまいました(失礼な奴だ)
この本は、せんに読んだ「キングとジョーカー」のような、パラレル・ワールド・ミステリですが、せんのキングとジョーカーが、英国王室が違う事以外およそ変化がなかったのとくらべるとかなり変わっています。獅子王リチャードが、シューリーズ包囲戦で死なないで、王位を末弟のジョンではなく自分の次弟の息子、アーサーに譲ったら、そしてその後、フランスに広大な所領を持ったままの大帝国を発展させたら、そして科学が発達しないで魔術が発達したら、という世界。プランタジネット朝がずーーーと続いている世界です。しかし、科学の代わりに魔術が発達した世界であろうと、私たちの世界と同様、殺人はおこるのです。
主人公は、ノルマンディ公爵主任捜査官のダーシー卿。彼が、魔術師のマスター・ショーンと共に殺人事件を捜査するという話ですが、魔術が発達した世界であっても、魔術は万能ではなく、ある一定の制限がありますし、魔法を使って全てが解決、という話ではありません。殺人の謎はこちらの世界でも、論理によって解き明かされるのです。

それで登場人物が考えていたより若くてあれー?  いえ別に若くても良いんですけど、てっきり主人公のダーシー卿は50代くらいなのかと思っていたのですよ。34才かー。それでもって仕えているノルマンディ公(現国王の実弟)は20才で、国王が30才か。うーむ、若い。
長編の「魔術師が多すぎる」は絶版になったままなので、再販してほしいなあ、です。