るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

ファンタジーオタが非オタの彼氏にファンタジー世界を軽く紹介するための10本



アニオタが非オタの彼女にアニメ世界を軽く紹介するための10本


から派生した一連のエントリが楽しかったので眺めていて、ついうっかり妄想してしまったので。
ファンタジー版がなかったのが意外というのもあり、妄想に拍車がかかってしまいました。ネタものっていっぺんやってみたかったし.....
元ネタにあわせるためにいろいろ作ってるところもありますし、まあネタですのでそこのところ一つよろしくです。あ、あげた本はどれもおもしろい本だと私は思いますが、この10本をいきなり彼氏に渡したら引かれること確実だと思います、はい。
(さらに蛇足ですが、日本人作家の作品、マンガ、アニメ、映画を入れると収集つかなくなりましたので、いわゆる「海外ファンタジー」小説にしぼって選んでます。)



ファンタジーオタが非オタの彼氏にファンタジー世界を軽く紹介するための10本


まあ、どのくらいの数のファンタジー小説オタがそういう彼氏をゲットできるかは別にして、

オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、その上で全く知らないファンタジーの世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」

ような、オタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼氏に、ファンタジーのことを紹介するために読ませるべき10本を選んでみたいのだけれど。(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版です。彼氏に海外ファンタジーを布教するのではなく相互のコミュニケーションの入口として)


あくまで「入口」なので、時間的に過大な負担を伴う、「時の車輪」シリーズのような、現時点で文庫本が60冊越え(邦訳)になるようなシリーズモノは避けたい。

できれば三部作、長くても7巻完結あたりにとどめたい。

あと、いくらファンタジー的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。

ファンタジー好きがマクドナルドの『リリス』は外せないと言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。

そういう感じ。

彼氏の設定は

海外ファンタジー知識はいわゆる「童話・おとぎ話」的なものを除けば、「ロード・オブ・ザ・リング、映画は見たよ」、という程度。

サブカル度も低いが、頭はけっこう良い


という条件で。

まずはわたし的に。出した順番は実質的には意味がない。


まあ、いきなりここかよとも思うけれど、数多あるファンタジー世界を描くというところで、「指輪以前」と、「指輪以後」を決定づけたという点ではまったくもって外せないなあ、と。長さも三部作だし。

ただ、ここでシルマリルが、エルフ語が、とトールキントーク全開にしてしまうと、彼氏との関係が崩れるかも。

この情報過多な作品について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼氏に伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。


アレって典型的な「オタクが考える一般人に受け入れられそうなファンタジー(そうオタクが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのものという意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼氏にぶつけて確かめてみるには一番よさそうな素材なんじゃないのかな。

「ファンタジーオタとしてはこの二つは“小説”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。


ある種のファンタジーオタが持っているSF(サイエンス・フィクション)との融合への憧憬と、非人類(とりわけドラゴン)との精神連結及び、信頼関係へのこだわりを彼氏に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにもロマンス小説的な

「ダーク・トール・ハンサム。オレさま且つ時々弱気」とロマンス的ヒーローを体現するフ・ラル

「隠された美女・ツンデレ」とロマンス的ヒロインを体現するレサ

の二人をはじめとして、ロマンス好きのするキャラを世界にちりばめているのが、紹介してみたい理由。



たぶんこのタイトルを見た彼氏は「これってジブリがアニメ化したよね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。

ある世界を成立させる秩序と魔法の力。その力とか、真の名前とか、力を持つもの、持たざるもの、自己克己、女性であることと魔法の力と世界といった、この物語が内包するテーマだけでなく、アメリカでは実写テレビドラマになって、日本ではアニメ化されたのに、どちらも原作のテイストの盛り込み方という点ではビミョウなできとしかいえないものだった、なんてさりげない不幸なんかを非オタ彼氏と話してみたいかな、という妄想的願望。



  • 9年目の魔法(ダイアナ・W・ジョーンズ)

「やっぱりファンタジーは子供のためのものだよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「ホビット」や「ナルニア」、「ハウル」でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、スコットランド民話の系譜に連なるこの作品が好きだから。
「タム・リン」のバラッドを下敷きにした所といい、古今東西ファンタジー小説の引用がファンタジーヲタのそこここをくすぐる具合といい、いかにもオタ的だなあと思えてしまうから。
「自分の物語を形作ってきたものが捨てられないオタク」としては、親近感を禁じ得ない。作品自体の高評価と合わせて、元ネタを引きつつ、そんなことを彼氏に話してみたい。


  • 妖女サイベルの呼び声(パトリシア・A・マキリップ)

今の若年層でサイベルを読んだことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。

この作品には、あるモノに内在するマジック・パワーというもの、光と影の交錯した万華鏡のようなきらびやかな「何か」、地面の奥底、時間のずっと遠い過去と未来をつないでいる「何か」が、根底にあって、その上に人々の暮らしが成り立っている様子が描かれているように思われる。情愛にも憎しみにもすべてに過去があり、未来がある。そういう存在そのもの力強さに惹かれるし、比してちっぽけな人間たちの営みがとても愛おしく感じられる。これらは以降のマキリップの「影のオンブリア」や「オドの魔法学校」にも連綿とつながっているものに思える。

いわゆる魔法を、「ディズニー映画に出てくるような、きらきらするスパークルで姿形を変えるもの」、みたいに思ってる彼氏には読ませてあげたいなと思う。



読み応えのあるエピック・ファンタジーをオタとして教えたい、というお節介焼きから読ませる、ということではなくて。
「歴史叙事詩好き」的な感覚がファンタジーオタには共通してあるのかなということを感じていて、
王座を巡って個性的な登場人物たちが入り乱れ、××家が△△家とあれがどうで、こうで、と権謀術数の限りを尽くす、そういうあたりにロマンを感じてしまうのだけれど、ファンタジーヲタに限らず、そういう歴史ロマンに反応してくれる男子にも楽しんでもらえるかとか、でも実際は、そんな理屈はかけらも口にせずに、七王国世界の骨太な歴史模様のあれこれをドラゴンや魔術といったファンタジー要素込みで単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。



  • 剣の輪舞(エレン・カシュナー)

これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。

「生殖を廃したところでの支配・被支配の愛憎関係」という、言ってみれば801系の関係性を含むパワー・ロマンスをこういうかたちでファンタジー小説に書かれて、それが非オタ男子に受け入れられるか、気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。



9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的にハリポタを選んでみました。

指輪から始まってハリポタで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、最終巻の邦訳がでたばっかりでもあるし、この作品以降、海外ファンタジー邦訳(主に児童系で)の波が来た、とか、ファンタジー映画の隆盛の先駆けとなった作品だ、とか、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいい作品がありそうな気もする。

というわけで、私のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら

教えてください。

「駄目だこの10本は。俺がちゃんとしたリストを作ってやる」というのは大歓迎。

こういう試みそのものに関する意見も聞けたら嬉しい。