るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

Letters of Tolkien No.127

 

Letters of J.R.R. Tolkien: A Selection

Letters of J.R.R. Tolkien: A Selection

 

127 1950/april/14 

スタンリー・アンウィンあて


4月3日、アンウィンは手紙に、息子レイナーのコメントを同封してきた、しかしながらそれら実際にははトールキンの眼に触れさせようとする意図はなかった。
レイナー・アンウィンは書いた。
ロード・オブ・ザ・リングスはたいへんすばらしい作品です、それ自体が興味深い点で。そして、どうにかして出版するのにのに値するものです。私はそれを読んだ時に、決してシルマリルの物語の不足分を感じませんでした。

もしこれがだめならば、私は指輪物語は評判の高い本として出版できるでと言えるでしょう、もう一度見直して、シルマリルの物語を落とした後で」

 

親愛なるアンウィン

私たちの手紙が行違ったのは奇妙なことだった。
私はもう一日長くまっていたらよかったのかもしれない。しかし、私にとって、物事はより緊急のものになっている。
私は「はい」か「いいえ」の決定が欲しいー私が出した申し出への、そして、想像上の可能性にではなく。

あなたの手紙は、常のように、とても親切なものだった。しかしながら、私は最初困惑した、その同封されたレイナーの手紙からの抜き書きに。
困惑した点はーそれが私の眼には(あなたの観点からは)不適当に思われたことだったそして私は、はっきりいうが、なぜあなたはそれを私に送ったのだろうかと思う
私の現在の結論は、あなたは概してレイナーに賛同していて、彼のアドバイスを見せることが、私がもっとも期待できることを知らせる良い方法だと考えたということだ。


不満なのは率直にいって、抜粋の最後の文だ。「もしこれがだめならばーなど」のところです。
これはきっと方針を少しばかりむき出しに明かにすることだろう。また、これは状況、もしくは私の手紙を理解するためには驚くべき過ちだ。
しかし私はあなたから聞くまで、何も言わないだろう。

トールキン

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シルマリルは削ってLoTRは出版、というのは教授にとって耐えがたい事だったのでしょう。
それでもこの実際に送った手紙は、手紙の草稿よりマイルドな表現に落とし込んであるようです。
手紙の草稿は、「伝記」に一部引用されています。