るるむく日記

趣味にひた走るつれづれの日々

ツィメルマンにわかファンのミーハー視点による覚え書き(思いついたり思い出したりした順のちまちま書き)



・表情

音楽に対する真摯な姿勢、完璧主義者、などという巷の噂と、私が持っているアルバムのジャケットがマジメ・渋い系の顔写真だったせいか、なんとなーくコンサート中は、眉間に立てじわ系の顔で演奏するのかと思っていたのですが、これが全然違いました。とりわけモーツァルトラヴェルの時に魅せてくれた柔らかい笑顔、楽しそうな笑顔にはびっくり。笑顔のみならず、もちろん、全体を通してみられた、真剣な引き締まった表情、緊張と弛緩の対比など、演奏した曲がそれぞれにさまざまないろどりにあふれていたように、彼の表情も表現する音に伴いさまざまな色合いを見せてくれました。(前方の席だった甲斐があったね!)当日、Mさんから、20代のツィメルマンの写真が載った二十数年前の音楽雑誌を見せていただいたのですが、まあこの顔立ちで、こんな表情(表情の作りは恐らく基本は変わらないと思われるので)で、こんな演奏をしていたら、それはもう、かつて鍵盤の貴公子の名を欲しいままにしていた、というのもむべなるかな、という印象(本人的には不本意な別称だったかもしれませんが)。いや、私はお髭の笑顔がとてもステキだと思いましたが。


・早いっ!

何が早いといって弾き初めが。ピアノの前に立って観客席に向かい、にこやかに一礼、するっと椅子に座って、スワロウテイルのそのテイルをすっと椅子の後ろ側におしやった、その腕の動きのまんま第一音。早!。
ちょ、ちょっと待って。フツー、弾き出す前ってもうちょっと溜めたりしないんですか? いや聴く方のココロの準備が。拍手まだ止んでないし!(2曲目以降は観客の方もだんだん学習してきて、彼が椅子に座ると同時に拍手を止めてましたが(^^;))ラヴェルの時なんて本当に早くて、その前のショパンで魂が抜けたようになって、ぼーっと拍手していたら、最初の一音の時に拍手がかぶっちゃったよ、というくらい早かったです。


プログラム中、弾き出す前の間、というか溜めというかがあったのは、第2部のショパン、バラード4番の時だけでした。バラードの時だけ、椅子に腰掛けて、最初の音を出すまでになんとも言い難い間があり、他の曲の時のそれが短かっただけに印象に残りました。


・噂のピアノ

これが噂の彼のマイピアノ、コンサート行脚を供にする特注スタンウェイか...と演奏終了後近寄っていってしみじみと眺めてみました。
このピアノからあんな音楽が鳴り響いていたのかと思うと不思議やら感激やら。